研究課題/領域番号 |
20J40122
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
蛭田 千鶴江 北海道大学, 理学研究院, 特別研究員(RPD) (20723018)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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キーワード | 甲殻類 / 単為生殖 / 減数分裂 / 生殖細胞形成 |
研究実績の概要 |
本研究は、ミジンコをはじめとする甲殻類の単為発生機構について、卵を形成するための減数分裂の機構がどのように改変されることで単為発生が獲得されるのかを明らかにし、「甲殻類で広く保存されている機構」と「各甲殻類で固有な機構」、すなわち分裂の「一様性」と「多様性」を明らかにすることを目的としている。そして、甲殻類の系統関係と単為発生機構を比較し、甲殻類の単為発生機構の多様性と進化過程を理解することを目指すものである。 本年度は、新型コロナウィルス感染症の拡大により、研究室への立ち入りや滞在等に制限があり、継続的な実験が困難であった。そのため、当初予定していた単為発生機構についてのゲノム編集基盤を利用した分子機構を明らかにする一連の実験は、所属機関の研究活動制限が少ない時期に行うこととし、翌年度以降に延期した。その代わりとして、以下の2項目の研究を実施した。(1)甲殻類の単為発生機構の情報を整理し比較するための文献調査を行う。(2)甲殻類の単為発生機構を減数分裂の過程に基づいて分類し、整理する。そして、甲殻類の最新の系統樹に単為発生機構の情報をプロットする。その結果、各々の動物群で散発的に単為発生現象の記載が行われている古い文献の調査を進めることができた。また、貝形虫綱甲殻類で見つかった単為生殖種1種のミトコンドリアゲノム全長配列の決定に参画し(論文投稿中)、甲殻類の単為発生機構と系統関係についての研究を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の拡大による研究室への立ち入りや滞在等の制限から、連続した実験を必須とする単為発生卵の分子機構を明らかにする実験の実施計画を変更しなければならなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
ゲノム編集技術を用いた単為発生卵の分裂様式の解析といった研究室での連続した実験が必須のものについては、所属機関の新型コロナウィルス感染拡大防止のための行動指針レベルを注視し、制限が少ない時期に行う。その代わりとして、甲殻類の単為発生機構の比較に関わる文献調査や単為生殖種の系統関係についての研究を推進する。
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