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2023 年度 実績報告書

気候変動下で生態系サービスの安定供給を実現する森林管理のシミュレーション評価

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0029
配分区分基金
研究機関北海道大学

研究代表者

堀田 亘  北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード森林 / 撹乱レガシー / 表層崩壊 / 生態系サービス / 林業 / シミュレーション / 気候変動
研究実績の概要

令和5年度は、(1)表層崩壊後の森林回復の規定要因の解明、(2)大規模表層崩壊が発生した北海道厚真町の森林景観における生態系サービス供給量と供給安定性の将来シミュレーションに取り組んだ。
(1)表層崩壊後の森林回復の規定要因の解明
北海道厚真町の表層崩壊地における森林の自然回復をシミュレーション評価した結果、平均斜度が小さく、撹乱レガシー(残存植生、堆積土砂)が多い斜面ほど地上部バイオマスの回復が速く、耐陰性の高い樹種が優占する種組成が形成されやすいことがわかった。
(2)生態系サービス供給量と供給安定性の将来シミュレーション
表層崩壊地に適用する森林再生シナリオと崩壊しなかった残存林に適用する森林管理シナリオを作成した。森林再生シナリオでは、現行の再生計画に加え、カラマツ植栽面積を変化させた5シナリオを準備した。森林管理シナリオでは、震災以前の森林管理計画に加え、人工林の自然林化面積を変化させた5シナリオを準備した。なお、森林再生シナリオと森林管理シナリオは人為介入の程度に応じて1対1対応した5つのシナリオとしてまとめた。これらのシナリオ下で2019~2118年の100年間の森林景観動態をシミュレーションした。結果から、樹種多様度指数、木材生産量、炭素収支(純生態系生産量)を算出し、それらの100年間の時間的変動を変動係数により評価した。その結果、現行の計画または植栽面積・人工林面積を減少させるシナリオにおいて、各生態系サービスの供給量と供給安定性がバランスよく発揮できることがわかった。
研究期間全体を通じ、表層崩壊後の長期的な森林生態系の回復を、実測とシミュレーションの双方から評価した。また、大規模表層崩壊後の森林景観における生態系サービス供給のシナリオ分析により、崩壊地における植栽面積増加や残存林における人工林の保持は多様な生態系サービスの安定供給を妨げる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Environmental heterogeneity on landslide slopes affects the long-term recoveries of forest ecosystem components2024

    • 著者名/発表者名
      Hotta Wataru、Morimoto Junko、Yanai Seiji、Uchida Yoshitaka、Nakamura Futoshi
    • 雑誌名

      CATENA

      巻: 234 ページ: 107578~107578

    • DOI

      10.1016/j.catena.2023.107578

    • 査読あり
  • [学会発表] 気候変動下で持続的な生態系サービス供給を実現する森林管理のシナリオ分析.2024

    • 著者名/発表者名
      堀田亘, 森本淳子, 芳賀智宏, 中村太士.
    • 学会等名
      第135回日本森林学会大会
  • [学会発表] Spatially explicit modeling of forest recovery after shallow landslides.2023

    • 著者名/発表者名
      Hotta, W., Morimoto, J., Haga, C., Nakamura, F.
    • 学会等名
      The 11th International Association for Landscape Ecology (IALE) World Congress

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公開日: 2024-12-25  

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