研究課題/領域番号 |
22J11835
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
JING YUAN 北海道大学, 大学院総合化学院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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キーワード | 固体触媒 / 機会学習 / 人工知能 / 脱硝 |
研究実績の概要 |
触媒をはじめとする材料科学研究は未だ「絨毯爆撃的なスクリーニング」から脱却できていない。年々増え続ける膨大なデータ・知見を咀嚼し、目的に対して適切な仮説を提供できる人材は皆無である。人知に基づく研究は限界を迎えており、データ科学の先進技術を導入して材料科学研究の在り方を刷新することが求められている。 本研究で使用する外挿的提案が可能な機械学習モデルは申請者らが独自に着想、開発した全く新しいモデルである。本提案は、化学を専門としながらも情報科学を扱える申請者だからこそ達成できる極めて挑戦的な研究テーマであり、新しい研究方法論を切り拓くものである。 本モデルでは、触媒構成元素そのものを学習に使うのではなく、その特徴量(原子半径、電気陰性度、融点等)と構成比の積を予測記述子(Elemental Descriptor)として用いることで、元々のデータセットに含まれている元素に縛られることなく有望な触媒候補元素を提案することが可能である。 2022年度、水素を還元剤とするNO選択還元(H2-SCR)反応に対しては、上記の外挿的な機械学習モデルを用いて、新規触媒探索を行っている。具体的には、実験⇔機械学習予測、というサイクルを回すことで、より少ない実験回数で新規触媒を見出す。これまでに、H2-SCRに対して既報有効な触媒を凌ぐ触媒を発見している(未発表)。機械学習によりリストアップした約600兆通りの膨大な触媒組成候補群の中から、300回の実験検討において、既報触媒を上回る触媒を40件以上も見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に記載した機械学習モデルの訓練が完成したから。既報有効な触媒を凌ぐ触媒を見出したから。
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今後の研究の推進方策 |
申請者が得意とするin situ/operando (FT-IR, UV-vis, XAS, AP-XPSなど)や、計算科学のアプローチも駆使して反応機構の解析を行い、触媒設計指針の構築を目的とする。
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