研究課題/領域番号 |
22KJ0109
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
晴木 祐助 北海道大学, 文学院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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キーワード | 内受容感覚 / 予測符号化 / 多感覚統合 |
研究実績の概要 |
本研究は身体内部から生じる感覚,すなわち内受容感覚の知覚成立過程の解明を目指す。具体的には,脳機能の統一理論として注目されている予測符号化処理を内受容感覚の生起メカニズムとして措定し,実験心理学と脳イメージングの方法を組み合わせた実証実験を行う。特に内受容感覚への注意に着目し、各感覚信号の精度が調節を受けて知覚される過程を検討する。本年度の研究では、外受容感覚(視覚や聴覚などの外界からの感覚)と内受容感覚との相互作用を調べる実験手法を開発した。これは、外部の感覚刺激が内受容感覚にどのような影響を及ぼすかを理解するためのものである。また、内受容感覚の男女差を探るために、性別を異にする被験者を対象にした一連の実験も行った。これらの実験には、合計100名以上の研究ボランティアが参加し、そのデータを集積・分析した。その結果、内受容感覚は外からの聴覚刺激によって顕著に妨害されること、またその妨害の程度が個々の心拍変動や身体感覚に対する主観的な捉え方と密接に関連していることが明らかとなった。さらに、内受容感覚における男女差についても調査した結果、客観的な感覚の正確性においては男女間で差は認められなかった。しかし、感覚に対する主観的な自信やメタ認知能力に関しては、女性の方が若干低下していることが判明した。これらの研究成果は、学術誌に1本の査読付き論文として発表されるとともに、1件の国際学会と3件の国内学会で発表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画にあった実験について、課題作成・データ収集を終えることができ、また解析も順調に進んでいる。そのため当初計画に無かった内受容感覚の男女差についての研究など、さらなる発展を見せている。これらのことから総合的に本研究課題の進捗状況は(1)当初の計画以上に進展している とした。
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今後の研究の推進方策 |
さらなる研究の発展を目指し、内受容感覚の測定法の改善を提案することを試みる。またこの課題を利用することで、内受容感覚の生起と消失に関わる時間的情報を明らかにする。これらを踏まえ、内受容感覚の生起過程についての総合的な理解を深める。
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次年度使用額が生じた理由 |
博士論文の執筆により2024/01に実施予定だった実験を中止したため、謝礼金分の100000円を次年度使用額とした。これらについては、異動先の東京大学で実験を実施する謝礼金および機材購入のための物品費として請求される予定である。
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