研究課題/領域番号 |
21J20652
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 遼 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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キーワード | 光周波数コム / 絶対位置測定 / フェムト秒レーザ / 共焦点光学系 / サーフェスエンコーダ / 精密計測 |
研究実績の概要 |
本研究では,不等ピッチ2軸格子の分光次元変換作用をもとに,光コムからXY2軸位置コムを創出し,これまでに構築しているZ位置コムと融合することで,従来は困難であった国家標準に直結した形態で信頼性が保証された極高精度多軸「絶対」位置検出を実現することが本研究の目的である. まず,XY位置コムとの融合に向け,これまでに開発しているZ絶対位置コム光学系に対してレーザオートコリメーション法の原理を新たに導入し,測定面傾斜角に影響を受けないZ位置計測の実現を検討する.その後,「不等ピッチ」2軸格子の分光作用により計測点のXY軸絶対位置情報を±1次反射回折光デジタル光周波数に次元変換し差動検出するとともに,±1次光で生成する光干渉信号を用いてXY2軸絶対位置を極高感度検出する,XY絶対位置コム光学系を構築する.最後に,上記2つの光学系を組み合わせてXYZ3軸「絶対」位置コムを構築し,その性能を実験的に明らかにする. 計画初年度となる令和3年度は,当初計画のとおり,光ファイバーベースの光コム光源構築を進めた.さらに構築した光コム光源の周波数をGPS時刻と同期するために,基準周波数発生器(GPSDO)を用いて光コム光源のGPS同期を試みた.さらに,Z絶対位置コムの測定面傾斜角に対するロバスト性確保に向け,これまでに開発しているZコム光学系に対してレーザオートコリメーション法の原理を新たに導入して,光コム光源の不均一スペクトルや対象物表面における反射率に加え,測定面傾斜角に影響を受けないZ位置絶対計測の実現可能性を見出した.また,XY絶対位置コムを創出するために,GPS同期された光コム光源の周波数帯域を考慮した不等ピッチ回折格子のピッチ変動幅の選定・設計を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画どおりに光ファイバ-ベース光周波数コム周波数のGPS同期,およびZ位置絶対位置コムのロバスト性確保のためにオートコリメーション法の導入方法の検討,および試作プロトタイプの実験的評価が進んでいること,さらにはXY絶対位置コムを創出に向けた光学系パラメータの検討が進んでいることから,おおむね順調に進んでいるものと判断した.
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今後の研究の推進方策 |
実施計画のとおりに実施する予定である.計画2年目となる令和4年度は,初年度に構築を進めた光ファイバーベースの光コム光源を用いたZ位置絶対コム光学系の改良,その基礎特性を実験的に評価する.また,XY絶対位置コム創出に向けて試作プロトタイプ光学系の設計・施策を行いその基礎特性評価を行う.さらに,高分解能XY絶対位置計測のために信号処理アルゴリズムの検討を進める.
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