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2022 年度 実績報告書

近代日本思想史における吉満義彦の<新秩序>構想の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21J21519
配分区分補助金
研究機関東北大学

研究代表者

保泉 空  東北大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2024-03-31
キーワード近代日本カトリック / ヒューマニズム / 人格主義 / 岩下壮一 / 改宗 / フランスカトリシズム
研究実績の概要

採用2年目にあたる2022年度は、昨年度からの研究の継続、および基礎的な資料調査の成果を踏まえて、より具体的な研究課題に取り組むことができた。特に、①吉満義彦の思想形成期の問題(とくにカトリックへの改宗の問題)の研究、②1930年代のヒューマニズム論における吉満の人格主義の位置付けの問題に取り組んだ。
①については、吉満の1920年代後半のテキストを手掛かりとして、カトリックへの改宗の問題を同時代の思想的状況を踏まえて考察した。その成果は、「昭和初期キリスト教知識人におけるカトリックへの転向」(日本宗教学会第81回学術大会、2022年9月)にて学会発表を行なった。
②については、「1930年代の思想史における三木清と新しいヒューマニズム」(第二十会年次大会西田哲学会西田哲学会、2022年7月)にて学会発表した。日本哲学史研究の場で、三木清との比較を通じた吉満の人格主義とその位置付けをめぐる問題を発表する機会を持ち、カトリック思想史研究を新しい文脈において行う可能性を見出すことができた。
また、2023年1月からはフランス留学を開始し、フランス留学時代の吉満義彦研究と、1920年代のフランスカトリシズムについての研究を始めることができた。基礎的な資料の調査とともに、フランスでの文献調査を通じて、日仏の近代カトリック思想についても研究を進めることができたのが本年度の大きな成果であり、次年度以降の研究に繋げていきたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、資料の調査の進展、研究成果の口頭発表、海外での研究を行うことができ、当初の計画を大きく進めることができた。その一方で、集めた資料やその分析を通じた研究の成果を論文として発表することができなかった。資料の調査に予想以上の時間を要し、その成果としての論文執筆ができず、論文としての発表が遅れてしまっている。そのため、やや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

採用最終年度に当たる2023年度は、12月までフランスの国立東洋言語文化研究大学に在籍しながら、吉満研究の調査を進めるとともに、ジャック・マリタンやエマニュエル・ムーニエといった20世紀のフランスカトリック知識人と人格主義についての研究を進める予定である。また、これまで取り組んできた、吉満の思想形成としてのカトリックへの改宗の問題を論文としてまとめ投稿する。さらに、以前より検討してきた、1930年代のヒューマニズムの問題を、近代日本思想史の文脈において、吉満のカトリック人格主義を検討し、そのルーツとなるフランスカトリシズムを踏まえた研究を行う。また、European Network of Japanese Philosophy(欧州日本哲学研究会)に参加し、欧州での研究・発表の機会を持つことに努める。次年度は、昨年度までの研究成果を踏まえて、論文として公表することに努め、海外にて積極的に学会や研究会に参加し、国際的な視点から自身の研究を進展させていきたいと考える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 1930年代の思想史における三木清と「新しいヒューマニズム」2022

    • 著者名/発表者名
      保泉空
    • 学会等名
      西田哲学会
  • [学会発表] 昭和初期キリスト教知識人におけるカトリックへの転向2022

    • 著者名/発表者名
      保泉空
    • 学会等名
      日本宗教学会
  • [学会発表] Humanism as a Means of Overcoming "Naraku"2022

    • 著者名/発表者名
      HOIZUMI Sora
    • 学会等名
      The 7th Annual Hasekura International Japanese Studies Symposium
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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