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2023 年度 実績報告書

社会の絆を生み出す小脳グリア機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0255
配分区分基金
研究機関東北大学

研究代表者

淺野 雄輝  東北大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードグリア細胞 / オプトジェネティクス / ファイバーフォトメトリー / 小脳 / アストロサイト / 攻撃行動 / プルキンエ細胞
研究実績の概要

本年度行った実験としては、小脳グリア細胞と同種に対する攻撃行動の関連を示すために、実験動物としてマウスを用い、レジデント-侵入者パラダイムにより攻撃行動を誘発した。その結果、攻撃終了後に、小脳局所電気活動においてシータ帯域の活動が観察され、これを模して小脳電気刺激することにより攻撃時間の短縮が観察された。また、小脳バーグマングリア細胞を含む小脳アストロサイトにオプトジェネティクス分子である ChR2 を発現した遺伝子改変マウスを用いることで、グリア機能を光操作した場合、シータ帯域の活動が観察されることが明らかになり、さらに攻撃時間の短縮も観察された。また、小脳グリア機能の光計測のために、ファイバーフォトメトリー法を用いることで、戦闘修了前後でグリア細胞内のCa2+濃度上昇が観察されたほか、戦闘の趨勢の優劣により、Ca2+が減少・増加する傾向が明らかになった。
研究機関全体の結果から、グリア細胞のCa2+濃度上昇が引き金となって、グリア細胞からグルタミン酸等の興奮性伝達物質が放出され、近傍のプルキンエ細胞の発火頻度上昇が維持され、えん戦気分が生じる可能性が示唆された。プルキンエ細胞は抑制性の神経細胞であるため、腹側被蓋野(VTA)のドーパミン神経細胞を抑制する作用があり、プルキンエ細胞の活動が上昇すると攻撃行動が抑制されるメカニズムが考えられる。
最終年度は、前半に対照実験を含む前年度に課題として残した研究を完了させ、夏に第46回日本神経科学会大会における発表、11月に Neuroscience Research 誌への投稿・掲載といった研究発表において成果をあげた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Glial tone of aggression2023

    • 著者名/発表者名
      Asano Yuki、Sasaki Daichi、Ikoma Yoko、Matsui Ko
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1016/j.neures.2023.11.008

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 小脳グリア細胞による闘争・逃走のスイッチング2023

    • 著者名/発表者名
      淺野 雄輝、松井 広
    • 学会等名
      The 46th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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