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2023 年度 実績報告書

25-ヒドロキシコレステロールによるSTING経路の抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0261
配分区分基金
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 花乃子  東北大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード25-ヒドロキシコレステロール
研究実績の概要

自然免疫分子STINGは、感染初期に働く生体防御機構として需要な役割を担う。
STINGは細胞質内に侵入したDNAウイルスに対して抗ウイルス応答を惹起するだけでなく、自己由来のDNAやミトコンドリア由来のDNAにも応答することがわかってきている。その一方で、STINGを介した抗ウイルス応答が恒常的に惹起すると、全身性エリテマトーデス様の自己炎症性疾患を引き起こすことが知られている。この疾患の存在からも、STINGを介した抗ウイルス応答は適切に制御される必要がある。当研究室の過去の報告から、STINGはゴルジ体上で脂質修飾(パルミトイル化)される必要があることが明らかになった。上述のように、STINGが抗ウイルス応答を惹起するメカニズムについては明らかになってきている一方で、負に制御する機能に関しては多くの疑問が残されている。そこで本研究では、STINGシグナルの活性化時に、コレステロール25位水酸化酵素(CH25H)が発現上昇することに着目し、CH25Hおよび25-ヒドロキシコレステロール(25-HC)がSTINGシグナルを制御するメカニズムの解明を目的に研究を行った。いくつかの検討から、CH25Hによって産生された25-HCはSTINGシグナルを負に制御することが明らかになった。次に25-HCの作用点を明らかにするために、25-HCが結合しゴルジ体へのコレステロール輸送を阻害することが知られる、Oxysterol-binding-protein(OSBP)に着目し検討を行った。その結果、OSBPを阻害すると、25-HCと同様にSTINGシグナルが抑制されることが明らかになった。本研究の成果は、STINGシグナルの解明だけでなく、ゴルジ体の脂質環境の側面においても重要な知見が得られたと考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Single-molecule localization microscopy reveals STING clustering at the trans-Golgi network through palmitoylation-dependent accumulation of cholesterol2024

    • 著者名/発表者名
      Kemmoku Haruka、Takahashi Kanoko、Mukai Kojiro、Mori Toshiki、Hirosawa Koichiro M.、Kiku Fumika、Uchida Yasunori、Kuchitsu Yoshihiko、Nishioka Yu、Sawa Masaaki、Kishimoto Takuma、Tanaka Kazuma、Yokota Yasunari、Arai Hiroyuki、Suzuki Kenichi G. N.、Taguchi Tomohiko
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 15 ページ: 220

    • DOI

      10.1038/s41467-023-44317-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] LPDSおよび7-デヒドロコレステロールレダクターゼ阻害剤同時処理によってSTING シグナルの活性化は抑制される2023

    • 著者名/発表者名
      髙橋花乃子、朽津芳彦、田口友彦
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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