これまで、熱酸化Si基板上に成膜をした多結晶Pt/Co/Ir/Co/Pt構造において、層厚傾斜を導入することにより反対称層間交換結合(Antisymmetric interlayer exchange coupling: AIEC)を調べてきたが、層厚の不均一性などによりAIECの方向が定まらないという課題があった。 そこで、Al2O3 (0001)基板を用いて下部Pt層を300 °Cで成膜することにより、エピタキシャル成長した反強磁性結合Pt/Co/Ir/Co/Pt構造を作製し、さらに異方的な形状を有するナノデバイスに加工するアプローチをとることで、従来と比較して層厚不均一性に由来する課題点を抑制することを目指した。 また、これまでに得られたPt/Co/Ir/Co/Pt構造におけるAIEC及び電流誘起磁化反転に関する成果をまとめ、国際学会Intermag 2023などで成果発表を行った。
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