• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

昆虫の致死ストレスに対する応答性の分子生理遺伝学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0339
配分区分基金
研究機関筑波大学

研究代表者

松村 崇志  筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードストレス / 昆虫 / 個体死 / 細胞死 / プロテアーゼ / 転写因子
研究実績の概要

Phae1は新規ストレス応答性プロテアーゼである。Phae1の発現を制御するシグナル経路を同定するために、前年度の研究により樹立したレポーターアッセイシステム(Phae1>luc)を用いて低分子化合物の阻害剤スクリーニングを行った。その結果、mTOR(mammalian target of rapamycin)の阻害剤として知られているラパマイシンの処理によって、ストレス誘導性のPhae1の発現および細胞死誘導が抑制されることを見出した。つぎに、神経系特異的にmTORをノックダウンした場合、致死的な高温ストレス後の生存率が、野生型の個体よりも高くなることが分かった。さらに、2023年度の解析から、Zesteのタンパク質発現量がmTORノックダウンによって抑制されることも分かった。以上の結果から、ストレスによって誘導されるPhae1の発現量はmTOR経路によって制御されている可能性が示唆された。
また、転写因子zesteはPhae1の遺伝子発現を制御する転写因子である。前年度のZeste組み換えタンパク質を用いてゲルシフトアッセイの結果から、ZesteのDNA結合領域がPhae1のプロモーター領域に結合し、DNA-Zesteタンパク質複合体が形成されることを明らかにした。2023年度のChip assayを用いた解析によっても、ZesteがPhae1の上流に結合することを確認できた。以上の結果から、ZesteはPhae1プロモーター領域に直接結合することで、ストレス後のPhae1の発現量を制御していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Drosophila cytokine GBP2 exerts immune responses and regulates GBP1 expression through GPCR receptor Mthl102024

    • 著者名/発表者名
      Ono Masaya、Matsumura Takashi、Sung Eui Jae、Koyama Takashi、Ochiai Masanori、Shears Stephen B.、Hayakawa Yoichi
    • 雑誌名

      Insect Biochemistry and Molecular Biology

      巻: 167 ページ: 104086~104086

    • DOI

      10.1016/j.ibmb.2024.104086

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Stress-induced organismal death is genetically programed by the Zeste-Phae1 axis2024

    • 著者名/発表者名
      Takashi MATSUMURA, Masasuke RYUDA, Hitoshi MATSUMOTO, Takumi KAMIYAMA , Shu KONDO, Yoichi HAYAKWA , Ryusuke NIWA
    • 学会等名
      27th European Drosophila Research Conference (EDRC)
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi