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2023 年度 実績報告書

新たに見出された体温調節ニューロンによる体温の概日リズム形成

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0351
配分区分基金
研究機関筑波大学

研究代表者

李 若詩  筑波大学, 人間総合科学学術院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード体温リズム / 視交叉上核 / 視床下部背内側核
研究実績の概要

体温リズムを制御する神経回路の解明に携わった。哺乳類の中枢時計である視交叉上核(SCN)が体温制御に関わる視床下部背内側核(DMH)へ投射し、その神経回路が体温リズム形成に関わるという作業仮説のもと研究を進めた。DMHに経シナプス性逆行性ベクターである改変型狂犬病ウイルスを導入し、DMHに投射している領域にSCNが存在するかを確認した。その結果、SCNに陽性細胞が確認され、SCN-DMHの神経回路の存在が確認された。また、DMHに投射しているSCN細胞が体温リズム形成に関わるかを調べた。野生型マウスの腹腔内に小型体温測定装置を埋め込み、正常時の体温リズムを計測した。その後、DMHに逆行性にCreリコンビナーゼを発現させる犬型アデノウイルス(CAV2-Cre)を発現させ、SCNにCre依存性に細胞死を誘導するCaspase3を発現させた。この操作後の体温リズムを計測した結果、体温リズムの振幅が減弱するのが認められた。そのため、DMHに投射しているSCN神経細胞は体温リズム形成に重要であることが分かった。また、SCN-DMHの神経投射を直接操作するため、光遺伝学を用いた操作を行った。SCNに光受容体であるhOPN4dcを発現させ、DMHに光ファイバーを留置した。マウスの腹腔内に小型体温測定装置を埋め込み、体温を測定した。hOPN4は青色光で興奮するため、ファイバーにレーザーにより青色光を当てたところ、レーザーを当てている期間のみ体温リズムの振幅が減弱するのが認められた。そのため、SCN-DMHの神経投射は体温リズムに重要だと思われた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Aripiprazole disrupts cellular synchrony in the suprachiasmatic nucleus and enhances entrainment to environmental light?dark cycles in mice2023

    • 著者名/発表者名
      Li Ruoshi、Masuda Kosaku、Ono Daisuke、Kanbayashi Takashi、Hirano Arisa、Sakurai Takeshi
    • 雑誌名

      Frontiers in Neuroscience

      巻: 17 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fnins.2023.1201137

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 視床下部視交叉上核ガスューロンは光同調を促進させるトリン放出ペプチド産生ニ2023

    • 著者名/発表者名
      李若詩
    • 学会等名
      第46回日本神経科学学会
  • [学会発表] アリピプラゾールは視交叉上核の細胞間同期を減弱させ明暗サイクルへの同調を促進する2023

    • 著者名/発表者名
      李若詩
    • 学会等名
      日本睡眠学会第45回定期学術集会・第30回日本時間生物学会学術大会合同大会
    • 招待講演
  • [学会発表] Gastrin releasing peptide-producing neurons in the hypothalamic suprachiasmatic nucleus mediates photic entrainment2023

    • 著者名/発表者名
      李若詩
    • 学会等名
      Neuroscience 2023 (SfN)
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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