今後の研究の推進方策 |
研究①について,ケントリオドン類を含めたマイルカ小目の系統進化史と適応放散過程を検討し,当初の計画をほぼ完成したが,この研究の延長として,引き続き標本を追加することで,更なる信頼性の高い系統復元ができ,進化史の全体像をさらに精密的に復元することができる.このため,今後の予定として,引き続き未記載標本の記載及び系統解析を行う. 研究②について,現在までに計12標本のみを検討し,予察的な結果が得られたが,更なる標本の追加が必要であるため,より多くの国内外の標本をさらに解析に追加することである.特に以下の博物館にマイルカ小目の化石が多く収蔵されているため,調査する予定である.1. アメリカ国立自然史博物館(United States National Museum of Natural History, Washington DC, USA)2. ロサンゼルス自然史博物館(Natural History Museum of Los Angeles County, Los Angeles, California, USA)3. ベルギー王立自然史博物館(Institut Royal des Sciences Naturelles de Belgique, Brussels, Belgium)4. ボローニャ大学ジョヴァンニ・カペリーニ博物館(Collezione di Geologia "Museo Giovanni Capellini", Bologna, Italy).今後の予定として,引き続き先方所蔵館と連絡を取り,調査日程を調整する. 研究③について,研究③は研究①と②の結果を合わせ,系統上で聴覚機能がどのようなシナリオで進化したかを解明し,さらに,中新世から現生にかけて起こったケントリオドン類とマイルカ上科の交代劇と生態的地位の転換を読み解く予定である.
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