研究課題
今年度は昨年度までに行っていたDNAポリメラーゼの探索をさらに広範な真核生物で包括的に行うことで最終的に10種類の新奇DNAポリメラーゼを発見した。これらのうち、3種類については学内外の共同研究者との協力のもと、GFPを用いた細胞生物学的実験により細胞内局在を確認した。新たに発見したDNAポリメラーゼのうち、rdxPolAと名付けたものはミトコンドリアの起源となったαプロテオバクテリアに直接由来することを明らかにした。rdxPolAの発見は真核生物におけるミトコンドリア局在DNAPの理解を改めるものであり、ミトコンドリアの誕生から現生の真核生物に至るまでのミトコンドリア局在DNAPの進化シナリオの提案に成功した。この成果はMolecular Biology and Evolution誌に査読付き英文論文として掲載された。また、ユーグレノゾアに属する未培養種の単細胞由来トランスクリプトームデータに含まれるDNAポリメラーゼ配列を探索することで、ユーグレノゾアにおけるミトコンドリア局在DNAPの分布を更新した。この成果はProtist誌に査読付き英文論文として掲載された。さらに、真核生物ゲノムのアノテーションツールの解析を行った。アノテーションに必要となるイントロンとエキソンの境目となるスプライスサイトの予測を機械学習を用いて行った。この成果はIPSJ Transactions on Bioinformatics誌に査読付き英文論文として掲載された。原田氏は研究成果の発表にも積極的であり、昨年度は情報処理学会第143回MPS・第74回BIO合同研究発表会、3rd Annual Congress on Euglenids、ECOP-ISOP 2023で研究成果の一部を口頭発表した。ECOP-ISOPではホルツ・コナートラベルアワードを受賞した。
すべて 2024 2023 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
Molecular Biology and Evolution
巻: 41 ページ: msae014
10.1093/molbev/msae014
IPSJ Transactions on Bioinformatics
巻: 16 ページ: 20~27
10.2197/ipsjtbio.16.20
Protist
巻: 174 ページ: 125997
10.1016/j.protis.2023.125997
月刊細胞
巻: 55 ページ: 33~36
https://casebank.sk-tsukuba.university/case/2574