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2022 年度 実績報告書

膜変性に着目した線虫母性遺伝の分子機構および生物学的意義の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22J01667
配分区分補助金
研究機関群馬大学

研究代表者

法月 拓也  群馬大学, 生体調節研究所, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2025-03-31
キーワード母性遺伝 / 受精 / オートファジー / 精子ミトコンドリア / 線虫
研究実績の概要

ヒトを含む多くの真核生物において、ミトコンドリアDNAは母親からのみ遺伝することが知られている。その普遍性から母性遺伝は重要な生命現象であると考えられているが、長年その仕組みは不明であった。所属研究室の研究によって、線虫(Caenorhabditis elegans)では、受精後に精子ミトコンドリアがオートファジーで選択的に分解されることが明らかになり、その後マウスやハエでも同様の仕組みが存在することが報告された。またその後の所属研究室の研究によって、卵で発現しているALLO-1が受精後に精子ミトコンドリアに局在し、精子ミトコンドリア分解を引き起こすことが明らかになった。しかしながら、受精卵においてALLO-1が精子由来のミトコンドリアにどのように局在化するのかは、いまだ不明である。そこで本研究では、遺伝学的解析が容易な線虫を用いて、精子ミトコンドリアの認識機構を分子レベルで明らかにすることを目指す。
まず2022年度は、精子ミトコンドリアの認識に関わる因子を網羅的に同定することを試みた。過去の知見などから、精子ミトコンドリアの認識に関与する可能性が高い、Ca2+について、変異体を取り寄せ、解析を行なった。並行して、未知の因子を網羅的に同定するために、変異原処理した線虫を顕微鏡観察して、父性ミトコンドリア認識に異常となる変異体を網羅的に探索した。GFPの輝度が低く、観察の効率が悪かったため、ALLO-1の局在を指標に変異体を探索するのではなく、まず精子ミトコンドリアが受精後も残っている変異体を探索することにし、その中からALLO-1の局在異常が見られるものを探索することにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度中に、父性ミトコンドリア認識に関与する因子を同定することを目標にしていたが、それはかなわなかった。しかしながら、10,000株以上の変異体を顕微鏡で観察した結果、父性ミトコンドリアの分解や認識に異常が見られるような変異体を複数同定できたため、近日中に精子ミトコンドリアの認識に関わる因子を同定できると期待される。そのため、おおむね順調に研究が進展したといえる。

今後の研究の推進方策

次世代シーケンサーを用いて、2022年度に単離した変異体の原因遺伝子を同定し、同定された因子の機能解析を行なう。また精子/卵由来のミトコンドリアの違いを明らかにするために、プロテオミクス解析に用いるミトコンドリアの単離の準備に取り掛かる。

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公開日: 2023-12-25  

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