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2023 年度 実績報告書

HLAの複合体構造に基づいた自己免疫疾患に対する革新的治療法の立案

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0478
配分区分基金
研究機関千葉大学

研究代表者

風岡 顯良  千葉大学, 医学薬学府, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードHLA / 皮疹
研究実績の概要

ベーチェット病モデルマウスを作製するにあたり,前年度に引き続き,キメラ型HLA-B*51:01導入マウスについて,戻し交配を行い,9回完了した。
本年度は,HLAが関与した皮疹の原因と考えられる小胞体ストレスの原因として,HLAが”不良品”として小胞体に認識されることを見出すべく,研究を行った。昨年度までに,(1) HLA多型特異的なアバカビル誘発性の小胞体ストレスがケラチノサイトにおいて生じること,(2) アバカビル誘発性のHLA多型特異的な皮疹には小胞体ストレスが関与している可能性を認めていた。本年度は,ケラチノサイトにおけるHLA多型依存的に生じる小胞体ストレスのメカニズムの検討を進め,以下のことを明らかにし,HLAが関与した皮疹発症の機序を考えるには“HLA複合体の構造不安定性”に着目することが突破口となるという当初の仮説を支持する結果を得た。①アバカビルは,HLA-B*57:01と細胞内で結合することを実証した。②ケラチノサイトにアバカビルを曝露した際,HLA-B*57:01へのBiPの結合が多く確認された。③ケラチノサイトにアバカビルを曝露した際,HLA-B*57:01が細胞内で凝集する様子が確認された。
以上の発見は,アバカビル過敏症に限 らず,ベーチェット病などのHLAが関与した免疫学的機序に基づく疾患による皮疹発症機序の解明を前進させたと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] HLA-B*57:01-dependent intracellular stress in keratinocytes triggers dermal hypersensitivity reactions to Abacavir2024

    • 著者名/発表者名
      Kazaoka Akira、Fujimori Sota、Yamada Yushiro、Shirayanagi Tomohiro、Gao Yuying、Kuwahara Saki、Sakamoto Naoki、Susukida Takeshi、Aoki Shigeki、Ito Kousei
    • 雑誌名

      PNAS Nexus

      巻: 3 ページ: 140

    • DOI

      10.1093/pnasnexus/pgae140

  • [雑誌論文] Pathological changes in various organs in HLA-B*57:01 transgenic mice with abacavir-induced skin eruption2024

    • 著者名/発表者名
      Kazaoka Akira、Kumagai Kazuyoshi、Matsushita Junya、Aida Tetsuo、Kuwahara Saki、Aoki Shigeki、Ito Kousei
    • 雑誌名

      Toxicological Research

      巻: 40 ページ: 223~235

    • DOI

      10.1007/s43188-023-00220-1

  • [学会発表] HLA-B*57:01導入マウスを用いた,アバカビルの再投与による過敏症症状の再現2023

    • 著者名/発表者名
      風岡顯良,青木重樹,伊藤晃成
    • 学会等名
      第50回 日本毒性学会学術年会
  • [学会発表] アバカビル誘発性皮膚過敏症へのHLA 多型依存的な小胞体ストレスの関与2023

    • 著者名/発表者名
      風岡顯良,藤森惣大,山田悠士郎,青木重樹,伊藤晃成
    • 学会等名
      第30回HAB研究機構学術年会

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公開日: 2024-12-25  

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