研究課題
本研究では、地球史上において生物多様性が劇的に減少した大量絶滅事変のひとつである白亜紀末のK-Pg絶滅事変のメカニズム焦点を当てる。とりわけ、類似した殻形態を持つアンモナイトとオウムガイ類に注目し、アンモナイトはなぜ絶滅しオウムガイは絶滅を免れたのか、という疑問。その中でも、その要因の1つとして提唱されている仮説のひとつである海洋酸性化と絶滅の選択性について検証する。本研究プロジェクト2年目となる2021年度の初頭は新型コロナウイルスの影響により、研究代表者の長期滞在先であるニューヨーク市のアメリカ自然史博物館への立ち入りが制限されており、当初の予定通り研究を遂行することができなかった。また、出張・野外調査に対しても同博物館より制限がかかっていたため、当初予定していた時期に野外調査を行うことができなかった。同博物館標本庫にアクセス可能なわずかな時間を利用し同博物館所有の標本の観察やCT撮影のための標本の選別を行った。いくつかの博物館所蔵の化石サンプルについてはCT撮影を行った。野外調査については2022年度に繰り越して遂行した。アメリカにおける2度に渡る野外調査では、化石の採取を行った。採取した化石標本のCT撮影・電子顕微鏡を用いた殻の保存状態の確認作業を開始した。当初予定していた化学分析については共同研究を予定していた米国の研究機関が分析を始められる状態になかったため、2023年度に行う予定である。
3: やや遅れている
新型コロナウイルスの影響により本研究の2年目(2021年度)前半は様々な活動が制限され、当初計画していた事項の一部が遂行できなかった。しかしながら、年度後半~繰り越し年度(2022年度)には野外調査等・遅れていた作業を行うことができている。
引き続きアメリカにて野外調査を行い標本の採取,国内外(アメリカ・スイス・日本)において採取した標本の観察・CT撮影・化学分析を行う。CTデータの分析も順次行う。年度後半には学会発表を行い、これまでに成果について共同研究者ともディスカッションを行う。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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