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2023 年度 実施状況報告書

セントロメア特異的に挿入するレトロトランスポゾンの転移機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0502
配分区分基金
研究機関東京大学

研究代表者

塚原 小百合  東京大学, 理学系研究科, 研究員

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
キーワードセントロメア / レトロトランスポゾン / シロイヌナズナ
研究実績の概要

Tal1レトロトランスポゾンがセントロメア領域を標的として転移する機構について調べている。Tal1と同じファミリーに属するレトロトランスポゾンで、遺伝子領域に特異的に転移するEvade(ATCOPIA93)を用いて、Tal1とEvadeのキメラ配列を導入した形質転換体を作成し、新規挿入箇所を調べることにより、昨年度までに、Tal1のインテグレースをコードする領域のC末端側(IN2領域)がセントロメアへのターゲティングに重要であることを示す結果を得ていた。今年度はさらに領域を狭め、Tal1のセントロメアへのターゲティングに効いているアミノ酸、およびEvadeの遺伝子領域へのターゲティングに効いているアミノ酸の候補を得ることができた。具体的には、1アミノ酸置換を導入したTal1やEvadeの形質転換体を作成し、新規の転移をゲノムワイドに検出することで、挿入位置の特異性が変化することを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

Tal1のIN2領域の中の1アミノ酸を置換することにより、Tal1がセントロメアへのターゲティング機能を失い、染色体全体にわたって挿入されることを示した。また、EvadeのIN2領域における、Tal1で置換を行ったアミノ酸に相当すると考えられるアミノ酸を置換すると、Evadeの遺伝子領域特異的なターゲティング機能が一部喪失し、Evadeがペリセントロメア領域に多く挿入されるという予想外の結果を得た。セントロメアへの挿入も見られたものの一部にとどまった。以上の実験により、上記アミノ酸がTal1やEvadeの転移の際のターゲティングに必要であることが示された。

今後の研究の推進方策

IN2領域に1アミノ酸置換を入れたEvadeが、セントロメアに特異的に挿入されなかったことは、セントロメアターゲティングに効いているアミノ酸が当アミノ酸だけではないことを示唆している。今後はどのアミノ酸配列がセントロメアターゲティングに十分であるのかを特定し、それらの配列をもつレトロトランスポゾンを近縁種や他の植物種において探索し、レトロトランスポゾンの進化的な側面について考えたい。本研究で、Tal1とEvadeのキメラ配列の新規挿入位置をシーケンスによって調べた結果を論文にまとめる。

次年度使用額が生じた理由

2023年度は、実験に必要な試薬や物品を購入させていただき、滞りなく実験を進めることができた。次年度使用額は全支出に比較して小さな割合であり、ほぼ予定通りの支出だった。次年度もシーケンスの外注などに使用させていただく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Targeted integrations of retrotransposons into centromeric regions in Arabidopsis2023

    • 著者名/発表者名
      Sayuri Tsukahara
    • 学会等名
      The 33rd International Conference on Arabidopsis Research (ICAR2023)
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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