研究課題/領域番号 |
21J00834
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
YU LIRA 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD) (60760709)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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キーワード | 母子間インタラクション / ターンテイキング / 乳幼児 / 言語発達 / 前庭感覚 / 選好リズム |
研究実績の概要 |
以下は、令和3年から令和4年度に繰越した科研費使用分について報告したものである。
前年度に予定していたヒト成人間の対話場面で見られる「迅速なターンテイキング(間)」の3歳児を対象とした縦断的調査は、新型コロナ感染拡大防止のため実施が困難であった。本年度は、延期していた対面実験を再開し、必要となるデータを取得することができた。本研究では、日本語を母語とする調査参加児に対し、日韓バイリンガル実験者が日本語又は韓国語で対話する実験を行った。実験者と参加児の対話インタラクションを、母語条件(日本語)と非母語条件(韓国語)で比較するため、ビデオカメラおよびマイクを用い、実験者-参加児間の行動と対話を記録した。本実験実施およびデータ分析のため、ICレコーダ、分析用PCとその周辺機器を、繰り越し分で購入した。実験者―参加児間の対話の時間的要素を分析した結果、調査参加児は、母語条件と非母語条件の両方で、迅速な対話のやり取りを行っていることが分かった(条件間で有意差なし)。この結果は3歳児に語意が理解できない外国語でも、非言語的要素を通じて相手との対話を持続する能力があることを示している。本研究成果は、2023年1月5-7日に開催された国際学会BCCCD23にて、ポスター発表を行った(Budapest CEU Conference on Cognitive Development 2023 @ブダペスト、ハンガリー)。本年度末には海外渡航が困難な事情があったため(妊娠)、現地での発表は、第2著者である研究協力者が行った。自宅と大学間におけるZoomによる研究打ち合わせのためのスピーカとマイクセットを購入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度に新型コロナ感染症拡大防止のため延期していた、3歳児対象の「対話的インタラクション場面で見られる迅速なターンテイキング(間)」の発達過程をみる研究について、分析PC、ICレコーダなどを購入し、対面実験を開始することができた。実験結果として、語意が理解できない外国語でも、非言語的要素を通じて、積極的に相手との対話を持続する能力があることが明らかとなった。この研究成果は、2023年1月5-7日に開催された国際学会BCCCD23 (Budapest CEU Conference on Cognitive Development 2023,ブダペスト、ハンガリー) にて発表した。コロナのため延期していた研究を再開し、前年度に予定していた研究に十分な進捗が見られたことから、特別研究員(PD)2年目としておおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度前半は、研究代表者の事情(出産および育児のため)により、研究中断を予定している。研究再開準備支援期間となる本年度後半には、前年度まで取得した結果に追加データを加えた上で、学会発表と論文投稿を予定している。また研究計画に従い「母親の歩行速度が乳幼児の選好リズムに与える影響」について調査を着実に実施する。また「母親の歩行速度が乳幼児の選好リズムに与える影響」については、研究代表者の実子を対象に、生後の乳幼児期の選好リズムを調査し、胎児期に経験・学習した「母親の歩行リズムの影響」に関する仮説検証を行う。取得したデータは取りまとめ、国際学会発表を準備する予定である。
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