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2023 年度 実績報告書

植物受精卵の発生制御機構を司る核内クロマチン構造変遷と父母因子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0534
配分区分基金
研究機関東京大学

研究代表者

戸田 絵梨香  東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード受精卵 / 配偶子 / 核合一 / 父母因子 / イネ / 発生
研究実績の概要

被子植物では受精後、卵核と精核の融合により受精卵核が形成される。この雌雄核の融合(核合一)は、受精卵・胚発生の正常な進行に不可欠であると考えられているが、植物受精卵の核合一過程における転写動態は明らかとなっていない。そこで本研究では、植物受精卵の核合一過程における遺伝子発現プロファイルを明らかにするために、配偶子融合後15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間の6つの初期発生段階におけるイネ受精卵のシングルセルRNA-seq解析を行った。この時系列トランスクリプトーム解析により、受精後15分以降の受精卵において、新規の遺伝子発現および遺伝子発現変動が検出された。核合一過程における受精誘導性の転写産物は、タンパク質相互作用データベースやGO解析によってそれらの特徴を確認した。さらに、父方アリルの活性化は、受精卵内で雌雄核の融合が始まる配偶子融合後30分から1時間頃に開始されることが明らかとなった。一方、卵細胞で特異的に発現するいくつかの転写産物の発現は減少し、また、受精卵発生初期に母方アリル依存的な発現からbi-allelicな発現へのダイナミックなシフトが起きていた。これらの結果は、核合一過程におけるこれらの転写ダイナミクスが、受精卵・胚発生の正常かつ連続的な進行に重要な役割を果たしていることを示唆している。
また、核合一不全を示す受精卵では、正常な受精卵・胚発生に必要な遺伝子発現が適切なタイミングで起きていないことが予想される。そこで、通常の受精卵と比較し、受精卵・胚発生の進行のカギとなる遺伝子群を浮かび上がらせることを目的として、核合一不全を示すイネ変異体系統の作出に取り組んでいる。これら変異体系統の発生解析と遺伝子発現解析を行うことで、受精卵・胚発生を司る分子機構の解明につなげたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Whole-genome sequence analysis of mutations in rice plants regenerated from zygotes, mature embryos, and immature embryos2023

    • 著者名/発表者名
      Ichikawa Masako、Kato Norio、Toda Erika、Kashihara Masakazu、Ishida Yuji、Hiei Yukoh、Isobe Sachiko N.、Shirasawa Kenta、Hirakawa Hideki、Okamoto Takashi、Komari Toshihiko
    • 雑誌名

      Breeding Science

      巻: 73 ページ: 349~353

    • DOI

      10.1270/jsbbs.22100

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] イネ受精卵-体細胞プロトプラスト融合細胞の発生プロファイル2023

    • 著者名/発表者名
      戸田絵梨香、亀川拓夢、東山哲也、井澤毅、岡本龍史
    • 学会等名
      日本植物学会第87回大会
  • [学会発表] イネ受精卵発生における体細胞融合の影響2023

    • 著者名/発表者名
      戸田絵梨香、亀川拓夢、東山哲也、井澤毅、岡本龍史
    • 学会等名
      学術変革領域研究「挑戦的両性花原理」2023年度若手の会

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公開日: 2024-12-25  

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