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2023 年度 実績報告書

ニュートリノ振動の高精度測定によるレプトンにおけるCP対称性の破れの探索

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0558
配分区分基金
研究機関東京大学

研究代表者

江口 碧  東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードニュートリノ振動 / T2K / スーパーカミオカンデ / CP対称性
研究実績の概要

ニュートリノ振動は、1998年にスーパーカミオカンデ実験が大気ニュートリノの測定を通じてその存在を確認して以来、世界中で測定が進められてきた。ニュートリノ振動パラメータの精密測定は標準模型を超える素粒子理論の理解に貢献するほか、CP対称性の破れが観測されればこの宇宙の成り立ちへの理解が深まることも期待されている。
2023年度は、長基線ニュートリノ振動実験T2KとSuper-Kamiokande (SK) 実験の合同解析に取り組んだ。この二つの実験は共に岐阜県飛騨市にある Super-Kamiokande 検出器を用いているが独立した実験グループであり、それぞれがニュートリノ物理において世界をリードする結果を出し続けてきた。今回の合同解析は、T2K実験の加速器ニュートリノデータとSK実験の大気ニュートリノデータの両方を用いてニュートリノ振動解析を行うことで、より感度の高い振動パラメータの測定、ニュートリノ質量階層の順序決定、および CP 対象性の破れ探索を目指すことを目標としている。
申請者は、合同解析で用いられる系統誤差モデルの頑健性の評価とそれに伴うモデルの改善、データ解析等に取り組み、2023年10月には両実験を代表して国際会議で実験結果を報告した。その前後では解析の信頼性を高めるための様々な追加検証に取り組み、解析結果が信頼しうるものであると結論した。さらに、モンテカルロシミュレーションの統計誤差、実験データサンプルの詳細な分析、系統誤差の理解の改善、将来的な感度解析など、今後両実験を進めていくにあたって重要な解析を行なった。並行して、T2K実験のデータ取得のために茨城県東海村に滞在し、現地での検出器運用にも貢献した。
3年間の研究期間を通して、申請者はT2K実験の前置検出機アップグレードにも取り組み、ニュートリノ実験の発展に貢献した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] Stony Brook University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Stony Brook University
  • [国際共同研究] LPNHE(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      LPNHE
  • [国際共同研究] King's College London/University of Oxford(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      King's College London/University of Oxford
  • [雑誌論文] The T2K Near Detector Upgrade2023

    • 著者名/発表者名
      Eguchi Aoi
    • 雑誌名

      Physical Sciences Forum

      巻: 8 ページ: 38

    • DOI

      10.3390/psf2023008038

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] SK大気ニュートリノとT2K加速器ニュートリノの合同振動解析のための解析手法改善2023

    • 著者名/発表者名
      江口碧
    • 学会等名
      日本物理学会 第78回年次大会
  • [学会発表] Combined neutrino oscillation analysis between Super-Kamiokande and T2K2023

    • 著者名/発表者名
      Aoi Eguchi
    • 学会等名
      The 22nd International Workshop on Next Generation Nucleon Decay and Neutrino Detectors
    • 国際学会
  • [学会発表] Reconstruction and Selection of Neutrino Interactions In T2K ND280 Upgrade2023

    • 著者名/発表者名
      Aoi Eguchi and Xingyu Zhao
    • 学会等名
      Symposium University of Tokyo - ETH Zurich
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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