研究課題/領域番号 |
21J20847
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桑原 嵩佳 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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キーワード | 脳 / 神経細胞 / 進化 / ハチ / トランスクリプトーム解析 / 種間比較 |
研究実績の概要 |
ミツバチと、原始的なハチ目昆虫であるハバチの比較に関しては、申請時の研究計画に記載の内容を既に完了している。既報のミツバチキノコ体のsingle cell-RNA seq解析の結果を再検討することで、ミツバチの3種類のケニヨン細胞の各々に選択的に発現する遺伝子リストを作成した。一方、独自にRNA-seq解析を実施することで、ハバチ脳でキノコ体に選択的に発現する遺伝子のリストを作成した。この両者を比較した結果、ハバチに存在する単一種のケニヨン細胞は、ミツバチでケニヨン細胞サブタイプ選択的に発現する遺伝子の多くを発現していたことから、「ハバチの原始的なケニヨン細胞から、機能分離と機能分岐を経てミツバチの3種類のケニヨン細胞サブタイプが成立した。」ことが示唆された。 さらに、ダンス言語の関連細胞種候補の同定および、ハチ目昆虫の社会性進化に貢献した脳神経基盤を探索する目的で、ミツバチ、マルハナバチ、ハキリバチのキノコ体構成細胞種の比較解析を進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
申請時の計画では、令和3年度に、ミツバチのキノコ体構成細胞種のscRNA-seq解析による網羅的同定を行い、令和4年度に、in situ hybridization法を用いたマルハナバチとのキノコ体構成細胞種比較を行う予定であった。現在、ミツバチのscRNA-seqに加え、マルハナバチのキノコ体をscRNA-seq解析することで、より網羅性の高い種間比較を計画しており、令和3年度段階で既に、マルハナバチのキノコ体scRNA-seq解析にも着手している。
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今後の研究の推進方策 |
ミツバチとマルハナバチのキノコ体構成細胞種のscRNA-seq比較解析に加え、ハチ目昆虫の社会性進化に貢献した脳神経基盤を探索する目的で、単独性有剣類であるハキリバチのキノコ体構成細胞をscRNA-seqにより網羅的に同定することを新たに計画している。ハキリバチへのscRNA-seq技術の適用に際し、日本在来種であるマメコバチ(Osmia cornifrons)のゲノム解読を新規に計画しており、当初の計画よりもより詳細な解析が可能になると期待される。
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