研究課題/領域番号 |
21J20951
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中川 綾哉 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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キーワード | CRISPR-Cas system / RNA編集 / cryo-EM |
研究実績の概要 |
VI型CRISPR-Cas13エフェクター酵素は、RNA依存性RNAヌクレアーゼであり、RNA検出やRNA編集などの様々な技術に利用されている。最近の研究で、Cas13bt3(Cas13X.1とも呼ばれる)新規Cas13酵素が発見され、生化学的な解析からCas13bt3は哺乳類細胞においてmRNAのノックダウンや編集に利用できることが明らかになった。しかし、小型Cas13bt3の作用機構は不明なままであった。本研究では、Cas13bt3-crRNA二者複合体の結晶構造とCas13bt3-crRNA-target RNA三者複合体のクライオ電子顕微鏡構造を明らかにした。これらの成果は、CRISPR-Cas13酵素の機構的理解を深めるとともに、Cas13を介した効率的なトランスクリプトーム改変技術開発への道を開くものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
cryo-EMを用いた構造解析が予定よりもうまく進み、モデリング可能なCas13bt3-crRNA-target RNAの3者複合体構造のマップの取得に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
現在、Cas13bt3-crRNA-target RNAの3者複合体構造のマップの取得に成功している。今後はこのマップをもとにモデルの構築をおこなう。モデルを構築後は標的RNAの認識・切断に重要であることが示唆されたアミノ酸残基およびガイドRNAの塩基に変異を導入した変異体を作製する。それぞれの変異体のin vitroにおける標的RNA切断活性を測定し、その結果に基づいてCas13bによる標的RNA切断の作動機構を明らかにする。
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