研究課題/領域番号 |
21J21319
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日下 桜子 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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キーワード | 中高生 / 保護者 / メンタルヘルスリテラシー / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
精神保健に関する保護者の正しい知識・理解(Mental health literacy:MHL)の向上を目指す教育プログラムについて、系統的レビューを行ってきた。今年度、そのレビューを英文論文化した。レビューでは、データベース検索でヒットした2万5000篇余りの文献から、一般の思春期の子どもの保護者に対するMHL教育の効果を量的に調べた9研究(10文献)を採用した。結果、そのような研究は数・質ともに限られており、今後、質の高い効果検証を行う必要があることが分かった。網羅的に文献検索を行った上で課題を見出し、それを国際的に発信した点に、意義があると考えられる。 また、中高生の保護者向けMHL教育プログラムのパイロット版を作成した。具体的には、6分程度のアニメを含む約15分の動画とした。精神不調はどのような子どもにも起こりうることや子どもの精神不調に対する保護者の対応方法等を重点的に扱った。加えて、保護者の持つMHLを評価するアンケートも作成した。 そして、令和4年度に公立中学校・高校(以下、協力校)に入学する生徒の保護者1000人以上を対象に、学校の業務の一環として入学説明会等で、プログラムを実施してもらった。また、プログラム視聴の前後に、原則オンラインで上述の無記名自記式アンケートに回答してもらった。回答を取りまとめ、協力校に集計結果をフィードバックした。一般の中高生の保護者向けMHLプログラム作成・実施の国内の先行例は非常に少ない。この点で本研究は新規性が高いと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
保護者のMHLを高めるための教育プログラムのパイロット版を作成し、アンケートとともに大きな規模で実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
保護者の持つMHLのレベルを把握するために、オンラインアンケートのベースラインの回答の解析を重点的に行う。その集計・解析結果を参考にして保護者向けMHL教育プログラムの改良版を作成し、保護者を対象にその効果を検証する。
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