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2022 年度 実績報告書

光スイッチング型ラマンプローブによる多重超解像イメージングの実現

研究課題

研究課題/領域番号 21J21396
配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

藤岡 礼任  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2024-03-31
キーワードラマンプローブ / 光スイッチング / 超解像イメージング / 多重検出
研究実績の概要

本研究では、化合物の吸収特性に基づいてepr効果の有無によって検出感度が変化することを利用し、光によってラマン信号のoff/onがスイッチングされる光スイッチング型ラマンプローブの開発を行う。さらに、開発したラマンプローブを用いてRESOLFTと同様の原理に基づく超解像ラマンイメージング(RESORT)を達成することを目指す。
本年度は昨年度開発した光スイッチング型ラマンプローブDAE620を用いて、実際にRESORTイメージングを行うことが可能か検討した。その結果、DAE620を用いたRESORTイメージングによって通常のラマンイメージングと比べて空間分解能が向上することを確認した。さらに、ミトコンドリアを標的としたDAE620-Mitoを用いることで、固定細胞および生きた細胞サンプルにおいてRESORTイメージングを行うことに成功した。また、多色イメージングに向けて標的オルガネラを拡張し、リソソームを標的としたDAE620-lysosome、ERを標的としたDAE620-ERの開発を行い、これらがDAE620と同様の光スイッチング性能を有していることを確認した。本研究内容はbioRxivに投稿済みであり、査読付きの学術誌にも投稿中である。他に、昨年度開発した、凝集体形成によって生体組織においても高選択的に標的酵素発現領域を染色可能な酵素活性検出型ラマンプローブについての研究成果をJ. Am. Chem. Soc. 誌に投稿し、受理された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

光スイッチング機能を有するラマンプローブDAE620を用いて、通常のラマンイメージングと比べて空間分解能が向上したRESORTイメージングを行うことに成功した。さらに、ミトコンドリアを標的としたDAE620-Mitoを用いることで細胞サンプルにおいてもRESORTイメージングを行うことができた。これらは、本研究の目標である、光スイッチング型ラマンプローブを用いた超解像ラマンイメージングに資する十分な進展であったと考えられる。一方で、ラマンイメージングの多重検出能を利用した多重超解像イメージングの達成に向けてはプローブの更なる改良が必要になると考えられる。

今後の研究の推進方策

本研究のこれまでの成果を査読付きの投稿論文で発表する。さらに、多重超解像イメージングを行うことが可能なプローブの開発を目指して誘導体の探索を行う。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 産業財産権 (2件)

  • [雑誌論文] Activatable Raman Probes Utilizing Enzyme-Induced Aggregate Formation for Selective <i>Ex Vivo</i> Imaging2023

    • 著者名/発表者名
      Fujioka Hiroyoshi、Kawatani Minoru、Spratt Spencer John、Komazawa Ayumi、Misawa Yoshihiro、Shou Jingwen、Mizuguchi Takaha、Kosakamoto Hina、Kojima Ryosuke、Urano Yasuteru、Obata Fumiaki、Ozeki Yasuyuki、Kamiya Mako
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1021/jacs.2c12381

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Super-resolution vibrational imaging based on photoswitchable Raman probe2022

    • 著者名/発表者名
      Shou Jingwen、Komazawa Ayumi、Wachi Yuusaku、Kawatani Minoru、Fujioka Hiroyoshi、Spratt Spencer John、Mizuguchi Takaha、Oguchi Kenichi、Obata Fumiaki、Tachibana Ryo、Misawa Yoshihiro、Kojima Ryosuke、Urano Yasuteru、Kamiya Mako、Ozeki Yasuyuki
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1101/2022.08.28.505494

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 凝集体形成を活用した細胞内滞留型ラマンプローブによる領域選択的酵素活性イメージング2023

    • 著者名/発表者名
      藤岡礼任,Spencer John Spratt,浦野泰照,小関泰之,神谷真子
    • 学会等名
      日本化学会第103春季年会
  • [学会発表] 酵素反応に伴う凝集体形成を活用したactivatable型ラマンプローブによる選択的ex vivoイメージング2023

    • 著者名/発表者名
      藤岡礼任,Spencer John Spratt,浦野泰照,小関泰之,神谷真子
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
  • [学会発表] 凝集体形成を活用したactivatable型ラマンプローブによるex vivo酵素活性イメージング2022

    • 著者名/発表者名
      藤岡礼任,寿景文,Spencer John Spratt,小坂元陽奈,小幡史明,小関泰之,神谷真子
    • 学会等名
      日本ケミカルバイオロジー学会第16回年会
  • [学会発表] Multicolor activatable Rmana probes for detecting enzyme activities in live-cells or tissues2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroyoshi Fujioka,. Spencer John Spratt, Jingwen Shou, Hina Kosakamoto, Fumiaki Obata, Yasuteru Urano, Yasuyuki Ozeki, Mako Kamiya
    • 学会等名
      EMBO Chemical biology 2022
    • 国際学会
  • [図書] 月刊「細胞」2022年12月号 ラマンイメージングの最前線,ラマンプローブによる酵素活性の多重検出2022

    • 著者名/発表者名
      藤岡礼任・神谷真子
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      北隆館
  • [産業財産権] -SH基含有化合物検出型ラマンプローブ2023

    • 発明者名
      神谷真子、村尾侑大、藤岡礼任、河谷 稔
    • 権利者名
      神谷真子、村尾侑大、藤岡礼任、河谷 稔
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2023-34848
  • [産業財産権] 凝集誘起増強型ラマンプローブ又は蛍光プローブ2023

    • 発明者名
      浦野泰照、沖中桃 子、藤岡礼任、河谷 稔、神谷真子
    • 権利者名
      浦野泰照、沖中桃 子、藤岡礼任、河谷 稔、神谷真子
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2023-32292

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公開日: 2023-12-25  

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