等身大ヒューマノイドが人間の生活環境の物体を操作するためには、等身大ヒューマノイドが人間のように、二足歩行動作に加えて、足以外の身体部位を用いた身体支持や手以外の身体部位を用いた物体操作、すなわち多点接触動作を行うことが求められる。そのためには、全身動作制御研究、物体マニピュレーション研究、タスクプランニング研究の分野を横断し身体・物体・タスクの操作を一体に計画・制御することが必要である。令和5年度は、令和4年度までに取り組んだ二足歩行動作と多点接触動作と双腕マニピュレーションの認識・計画・制御を統合して、未知環境において視触覚認識を用いてロボット‐物体‐環境間の接触拘束に基づいて身体・物体・タスクの操作を実時間で階層的に制御することが可能な、作業目標レベルから全身運動制御レベルまでをモデル予測制御の枠組みで統一的に扱う全身ロコマニピュレーションシステムの構成法を明らかにした。そして、その実時間計画のボトルネックとなっていたヒューマノイドのグローバル全身軌道計画において、幾何拘束や干渉回避の厳しいコンフィギュレーション空間を高速に探索することが可能なサンプリングベース計画アルゴリズムを開発し、国際学会誌へ1件の発表を行った。また、共著で国内学会誌への発表1件と国内学会発表2件、国際学会発表5件を行い、うち国際学会発表1件で受賞した。令和6年度は研究成果を博士論文にまとめ学位取得を目指す予定である.
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