本研究の目的は、トルコ語における行為複数性の表現の全体像を記述し、言語類型論とチュルク諸語研究の観点かららその特徴を解明することである。令和5年度は、現地トルコでフィールド調査を行うことができた。そのフィールド調査によりトルコ語の行為複数性の表現のデータを集めることができた。特に、トルコ語において行為複数性を表す名詞の重複で名詞修飾機能を持つ表現と動詞修飾機能を持つ表現について、前年度の調査を補完する形で調査を行った。調査の結果、それぞれの表現の形式と意味を明らかにし、それらの表現についてトルコ語や世界の言語における位置づけをすることができた。名詞修飾機能をもつ名詞重複に関する成果について論文を執筆し、『東京大学言語学論集』(TULIP: Tokyo University Linguistic Papers)に掲載された。動詞修飾機能を持つ名詞重複に関する成果については『言語研究』に投稿した。
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