研究課題/領域番号 |
21J22274
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 健 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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キーワード | 近距離音響ホログラフィ / ファントム / 骨伝導 / レーザー変位計 |
研究実績の概要 |
骨伝導の音漏れの原因を解明するために、まず皮膚と骨を模擬したファントムを製作した。そのファントムの中央に骨伝導の振動子を設置し、そのときの皮膚表面の振動を近距離音響ホログラフィにより可視化した。同時に、ファントムにおける振動を説明するためのモデルを確立するために有限要素法のシミュレーションや、平板モデルによる波の伝搬のシミュレーションを行った。しかし、実際の測定と整合性のとれたシミュレーション結果を得ることができなかった。 ファントムに対して行った測定と同様の測定を人間に対して行うことで、骨伝導の音漏れの原因を明らかにしたかったが、近距離音響ホログラフィの設備を借りた施設の都合により、人間を対象とした測定を実施できなかった。そこで、近距離音響ホログラフィの設備を手元に用意するため、マイクロホンアレイを製作し、近距離音響ホログラフィのプログラムを実装した。 また、皮膚表面の振動を測定するために、近距離音響ホログラフィ以外の測定方法についての検討を行った。レーザー変位計によって骨伝導振動子による皮膚表面の振動の観測に成功し、どれほどの振幅があるかを明らかにした。一方で皮膚の変位を超音波センサによって可視化することも試みたが、レーザー変位計で測定で得られた振幅を測定できる分解能を得ることができなかった。この理由として、超音波測定による分解能は波長によって決まるが、提供を受けた超音波振動子の波長が長すぎたことにあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
近距離音響ホログラフィを借りる予定だった施設に問い合わせたところ、人体に対する実験をすることができず、自ら近距離音響ホログラフィのシステムを製作する必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
近距離音響ホログラフィのシステムを完成させ、実際の人間の皮膚表面における音漏れの寄与の原因を明らかにすること。
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