研究課題/領域番号 |
22J00783
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高野 了太 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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キーワード | 協調 / 鹿狩りゲーム / 畏敬 / 心拍変動 / 不確実性 / 身体生理反応 |
研究実績の概要 |
個々の人間のインプットを集団としての優れたアウトプットにつなげるために、それぞれの行動をどのように相互調整するかという問題を、「コーディネーション問題」と呼ぶ。コーディネーションが成功する相互作用メカニズムを明らかにすることは、社会的共存の実現にかかわる極めて重要な課題である。昨年度、マス目状の鹿狩りゲームを用いることで、どのようなインタラクションを通じて協調(コーディネーション)が実現されるのかについて、その行動・生理的相関調べた実験を行った(N = 72)。このゲームにおいて、参加者は、マスに置かれた自分のプレイヤーを動かし、相手プレイヤーと2人でマンモスを捕獲するか(報酬大)、各々でウサギを捕獲するか(報酬小)を選択した。本研究は、不確実な状況(ゲームの利得構造など)における優れたパフォーマンスとの関連が指摘されている心拍変動(拍間のばらつき)に着目し、プレイ中の心拍変動の高さの組み合わせによって、マンモス捕獲(協調成功)率に違いがあるのかどうかを調べた。結果、心拍変動の高いプレイヤーを含むペア(高-高・高-低)は、含まないペア(低-低)よりマンモス捕獲率が高かった。さらに、マンモス捕獲難易度が高いゲームにおいてこの傾向は顕著であった。報告者はこれらの成果をまとめ、現在国際誌投稿に向けて論文執筆中である。また、集団協調を促進しうる感情である「畏敬」に関する研究を並行して実施し、複数の論文を国際誌に投稿中である。さらに、これらの研究を発展させ、集団的な決定場面において、様々なトピックに対する認識がどのように収束するのか(ナラティブなど)に着目した実験を計画し、準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上記の通り、集団協調が実現する条件の解明にかかわる新たな知見を見出した。このように現在進行中の研究データを蓄積し、学術誌に論文を複数執筆・投稿している。また、学会発表にも積極的に参加し、学会賞を2つ受賞した。さらに、新たな研究も計画中であり、今年度の研究活動の見通しがたっていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り新たに見出した知見を発展させ、集団的な決定場面において、様々なトピックに対する認識がどのように収束するのか(ナラティブなど)を検討する。 そのために、中から大規模のオンライン実験を実施し、新たな解析技術(自然言語処理など)の習得に励む。
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