量的テキスト分析などを用いた研究をいくつか実施し、その成果を公表した。 単語埋め込みという手法を活かして、戦後日本の国会議員のジェンダーバイアスの強さを推定し、日本政治学会で成果を発表した。具体的には、1947年から2022年までに国会でなされたすべての議員の発言から、女性とケア労働がどれほど強く結び付けられているのか、どのように推移してきたのかを明らかにした。現在論文執筆中である。 また、トピックモデルを活用し、2005年から2022年までの憲法審査会の議論から複数のトピックを推定し、国会議員が憲法について何を議論しているのかを分析した。人権や安全保障、統治機構についてどの程度国会議員が関心を割いているのかを分析した。分析からは、統治機構や人権に関するトピックへの言及が全体的に少ない一方で、防衛トピックに関しては党派的な違いが大きいことなどが明らかになった。政治学若手研究者フォーラム、計量・数理政治研究会(JSQPS)で成果を発表した。現在論文執筆中である。 最後に、2011年から2019年までの政令市議会議員選挙の投票所別の投票率を事例に、女性候補者の数が有権者の投票参加に与える影響を分析し、論文としてまとめた。特に、女性が目新しい状況において、女性候補が投票率を上昇せる効果が大きくなることを明らかにした。具体的には、女性議員が少ないほど効果が大きく、新人候補よりも現職候補の方が効果が大きいことが明らかになった。
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