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2023 年度 実績報告書

周辺色錯視に基づく周辺視野における色知覚メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0765
配分区分基金
研究機関東京大学

研究代表者

大久保 らな  東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード色知覚 / 周辺視野 / 実験心理学
研究実績の概要

最終年度では、数十人の参加者を対象とする実験室心理実験を実施し、周辺視野における情景認知と色知覚の関係性について、さらなる知見を得た。先行研究では、情景認知における色の貢献は、自然物を描写した自然情景に限定されるとされていた。本研究の初年度の実施を通して、周辺視野では人工物を描写した人工情景においても色が貢献することが明らかになった。最終年度では、このような現象がみられる理由として、人間の周辺視野における視覚特性に着目した。周辺視野では視力が低下するため、高空間周波数成分の減衰が生じる。本研究を通じて、このような周波数成分の変化が、人工情景においても色の効果が観察される原因であるという可能性を明らかにした。研究期間全体を通じて実施した研究の成果としては、まず、周辺視野における色知覚がどのように行われるかについて、周辺視野において色がついていない画像に対しても色がついているように感じるという「周辺色錯視」現象を題材とし、このような周辺色錯視が周辺視野における視覚的注意の乏しさにより部分的には説明できることを、二重課題を用いた実験を通して明らかにした。さらに、この周辺色錯視現象が、情景認知と深くかかわりがある現象であることに着想を得て、周辺視野における情景認知と色知覚の関係性についても調査した。その結果、色感度が低いと考えられている周辺視野でも情景認知に色が貢献していることを新たに示すとともに、その色は典型色である必要があること、つまり、視覚系が過去の経験を通じ獲得した情景と色の連合関係を周辺視野における情景認知に利用していることを明らかにした。また、色の効果と情景種類(自然情景か人工情景か)の関係についても明らかにした。まとめると、本研究を通して、これまで未解明の部分が多かった周辺視野における情景の把握と色の知覚の関係性が解明されたということができる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 色が情景認知に与える影響の時間的特性2024

    • 著者名/発表者名
      大久保らな, 村上郁也, 横澤一彦
    • 学会等名
      日本視覚学会2024年冬季大会
  • [学会発表] Color Enhances the Categorization of Scene in Peripheral Vision2023

    • 著者名/発表者名
      Lana Okubo, Kazuhiko Yokosawa
    • 学会等名
      International Symposium on Predictive Brain and Cognitive Feelings
    • 国際学会
  • [学会発表] 周辺視野における色情報による情景認知の促進2023

    • 著者名/発表者名
      大久保らな, 横澤一彦
    • 学会等名
      第85回視覚探索研究会

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公開日: 2024-12-25  

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