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2023 年度 実績報告書

TFPI-PAR-2経路の腎糸球体恒常性維持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0882
配分区分基金
研究機関東京大学

研究代表者

小川(飯尾) 亜樹  東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードタコ足細胞 / 蛋白尿 / PAR-2
研究実績の概要

●全身性およびタコ足細胞特異的ノックアウトマウスを用いた検討
2022年度は全身性Protease-activated receptor-2 (PAR-2)ノックアウトマウスでの表現型を解析し、腎障害におけるPAR-2の役割を検討した。その結果、PAR-2 ノックアウトマウスでは炎症の軽減と細胞分裂関連遺伝子の発現上昇によって糸球体障害が軽減することを明らかにした。また、これらの遺伝子発現変化が糸球体構成細胞のうちタコ足細胞に由来するとの結果を得た。そのため、2023年度はタコ足細胞特異的PAR-2ノックアウトマウスを作成し検討を行った。作製に成功したポドサイト特異的PAR-2ノックアウトマウスにLPS腎症を惹起したところ、全身性PAR-2KOマウスと同様に蛋白尿の軽減が認められた。
●糸球体障害軽減メカニズムの探索
PAR-2ノックアウトによる糸球体障害軽減のメカニズムを探索するため、野生型およびPAR-2ノックアウトマウスに糸球体障害を惹起した際の遺伝子発現を網羅的に解析した。その結果蛋白尿惹起時に、糸球体で大規模なグアノシン三リン酸(GTP)の分解が生じている可能性が明らかとなった。さらに、蛋白尿モデルマウスで老化マーカーが著しく発現上昇することが明らかとなった。腎トランスクリプトームデータベースであるNephroseqを用いて解析したところ、人の症例でも重度蛋白尿発症時にp21発現が上昇することが明らかとなった。これらの現象を追求するため米シンシナティ大学に留学し研究を行った。蛋白尿惹起時にポドサイトの細胞骨格が変化することに着目し、細胞骨格制御に重要なsmall GTPaseに焦点を当てた実験を行った。その結果、GTP合成酵素の細胞辺縁への局在およびGTPの局所合成がsmallGTPaseを活性化し、細胞骨格のリモデリングや遊走能に影響を与える可能性が示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] University of Cincinnati(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of Cincinnati
  • [国際共同研究] University of Cambridge(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Cambridge
  • [雑誌論文] Homogeneous luminescent quantitation of cellular guanosine and adenosine triphosphates (GTP and ATP) using QT-LucGTP&ATP assay2023

    • 著者名/発表者名
      Kopra Kari、Mahran Randa、Yli-Hollo Titta、Tabata Sho、Vuorinen Emmiliisa、Fujii Yuki、Vuorinen Iida、Ogawa-Iio Aki、Hirayama Akiyoshi、Soga Tomoyoshi、Sasaki Atsuo T.、H?rm? Harri
    • 雑誌名

      Analytical and Bioanalytical Chemistry

      巻: 415 ページ: 6689~6700

    • DOI

      10.1007/s00216-023-04944-9

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Fueling the Way-The Role of Localized GTP Synthesis in Renal Cell Carcinoma Metastasis2024

    • 著者名/発表者名
      Aki Ogawa-Iio,Ryo Kamata,Hirofumi Yoshino,Kara Wolfe,Satoshi Kofuji,Harri Harma,Kari Kopra,Titta Yli-Hollo,Osamu Ogawa,Eijiro Nakamura,Takeshi Kobayashi,Satoshi Ogasawara,Takeshi Murata,Koh Takeuchi,Toshiya Senda,Tomoyoshi Soga,Akiyoshi Hirayama,Laura M Machesky,Atsuo T Sasaki
    • 学会等名
      Keystone Symposia (Tumor Metabolism)
    • 国際学会
  • [学会発表] G-SHINEプローブによる細胞内GTP局在可視化法とその応用2023

    • 著者名/発表者名
      飯尾(小川)亜樹 , KOPRA Kari , HAERMAE Harri , 小笠原諭 , 鎌田諒 , 佐々木敦朗
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会

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公開日: 2024-12-25  

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