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2023 年度 実績報告書

複数主体を前提とした歴史的建造物の保存戦略に関する数理的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0883
配分区分基金
研究機関東京大学

研究代表者

井澤 佳織  東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード歴史的建築物 / 保存再生 / 意思決定 / 数理最適化
研究実績の概要

本研究は,保存活動と経済活動の競合関係に着目し,活動主体の最適な意思決定に関する数理的分析を通して,活用を前提とした合理的な保存戦略,つまり数理的特徴に基づく知見を得ることを目的とする.そのために,「A:保存活動により生じる経済性に基づく所有者単一の意思決定」,「B:保存活動により生じる経済性に基づく複数主体の意思決定」,「C:合理的な保存戦略の提示」の3つの着眼点を設定しているが,本年度では主にCに取り組んだ.
Cにおいては,複数主体が競合関係に陥る状況に焦点を当て,歴史的建築物の保存の是非に関する意思決定を数理的に分析することで,合理的な保存戦略の実現に向けた数理的特徴に基づくこれまでに得た知見の考察を行った.建築保存取り巻くシチュエーションについて数理的手法を用いて得られた知見は,関係主体のふるまいが典型的なのかそれとも例外的なのかを示すのに有用である.よって,より効果的な施策を考案する一助になると考える.また,建築保存における経済活動と保存活動の競合について建築物の不動産的側・文化財的側面の両側面から数理的アプローチを行うことで,その体系的な特性を把握し可視化した点は,本研究の工学的な貢献として最も重要なものである.特に,建築保存に関わる主体にとって言語化困難であった経験を,誰が見ても同じ結論となるよう数理的手法を用いて可視化したことは,建築保存における合理的な意思決定を実現するにあたって特筆すべき成果である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] ゲーム理論による歴史的建築物の保存を巡る意見対立の分析2023

    • 著者名/発表者名
      井澤 佳織 , 渡部 宇子 , 本間 裕大
    • 雑誌名

      日本建築学会学術講演梗概集

      巻: - ページ: 733,734

  • [学会発表] Solving the Conflict of Opinions over the Preservation of Historic Architecture in Japan as an Ordinal Utility Game2023

    • 著者名/発表者名
      Kaori Isawa, Hiroko Watanabe, Yudai Honma
    • 学会等名
      The 23rd Conference of the International Federation of Operational Research Societies
    • 国際学会
  • [学会発表] Mathematical Model for Optimizing Conversion Strategies for Historic Buildings Based on Locational Characteristics2023

    • 著者名/発表者名
      Kaori Isawa, Hiroko Watanabe, Yudai Honma
    • 学会等名
      ISOLDE XVI - International Symposium on Locational Decisions
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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