研究課題
本年度の研究では,瞳収縮分光器を地上のテストベッドに用意し,複数波長帯のデータを利用した干渉縞として観測に成功した.従来の干渉計と異なり,焦点ではなく瞳での干渉を行う瞳収縮分光干渉計では,鏡の相対的な姿勢にずれがあったとしても干渉縞を取得することが可能であり,それが確かめられた.また,分光に起因するコヒーレンス長の増加量も理論値とおおよそ一致することも分かった.本テストベッドは,波長板や偏光板などもすべて組み込んだ,本番のコンフィグレーションにかなり近いものであり,cosとsin成分の両方を同時に含んだ複素鮮鋭度の取得が確認できている.そしてその複素鮮鋭度の情報を利用して,光路差が0となる位置からのずれを事後計算により推定することにも成功した.
2: おおむね順調に進展している
本年度は,昨年度までに構築していたテストベッドに瞳収縮分光器を導入し,複素鮮鋭度の取得に成功した.この瞳収縮分光器は,実際の宇宙機に搭載する予定のものと近い構成で設計されており,宇宙赤外線干渉計実現に向けて重要な一歩であるといえる.このテストベッドの構築に関する内容について,本年度中に学術誌に投稿できるように準備を進めている.
この瞳収縮分光器を利用して,光路長のリアルタイム推定と制御のアルゴリズムの実現を目指す.その後,干渉計と相対航法センサの協調制御則の構築を行う.具体的には,現在所属研究室で開発が進められている音響光学素子などを利用した衛星間相対航法センサと地上テストベッドを組み合わせ,地上試験でも試験環境を用意することができる非常に短い基線長の状態で衛星間相対航法センサを用いた粗制御から,干渉縞とステージを利用した精制御へと段階的に移る協調制御則を構築する.
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Journal of Astronomical Telescopes, Instruments, and Systems
巻: 8 ページ: 1~22
10.1117/1.JATIS.8.1.015001