研究課題
本研究は、占領期日本において、今日の「特別活動」の起源である「特別教育活動」が成立する一連の過程を、子どもの学校外における自治的・主体的活動を「学校内化」する過程と捉え、この過程と学校内化の機制を分析することを目的とした。研究にあたっては、大きく①特別教育活動成立に際して重要な影響力を持ったアメリカ課外活動論の性格・内容の検討と、②アメリカの影響を加味した特別教育活動成立過程の検討の二観点を設定した。研究期間においては、①・②に関連する多数の文献史資料を書店・古書店を通じ収集した。また、アメリカ・ニューヨーク市のコロンビア大学ティーチャーズカレッジ、ニューヨーク州立大学ニューパルツ校、ニューヨーク公立図書館等、学外図書館での資料調査を実施した。更に、特別研究員奨励費を用いて収集資料を適切に整理、分析し、『教育学研究』、『カリキュラム研究』など大手学会誌に論文を掲載した。これらにおいて、アメリカ課外活動論とは、子どもの自治活動を学校教育活動の目的に適合するよう統制する論理を精緻化するものであったこと、戦後日本における特別教育活動の成立過程は、学校管理論の観点からのアメリカ課外活動論の受容と「日本化」の過程であったことなどを明らかにした。更に、これら①・②の成果を総合的に整理し、2023年7月に博士論文「自治活動の学校内化と教育課程化のプロセスをめぐる史的研究~「生徒会」成立過程を中心に~」を東京大学大学院教育学研究科へ提出して審査を受け、24年3月に学位を取得した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)
Bulletin of the Graduate School of Education, the University of Tokyo
巻: 63 ページ: 377~385
10.15083/0002009904
カリキュラム研究
巻: 33 ページ: -
教育学研究
巻: 90 ページ: 248~261
10.11555/kyoiku.90.2_248