研究課題/領域番号 |
22J20047
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
猪塚 真志 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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キーワード | 全身性免疫介在性疾患 / 自己免疫疾患 / 免疫表現型解析 / トランスクリプトーム解析 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
全身性免疫介在性疾患は、同一疾患であっても患者ごとに症状や治療反応性などが異なり、不均一性の高い疾患群であるため、ときとして診断や病態の把握が困難である。各疾患の病態把握や患者層別化には免疫表現型解析が有用であるが、疾患横断的な同解析の有用性はまだ明らかにされていない。本研究では、これまでに当教室で構築したデータベースImmuNexUTのフローサイトメトリーから得られた免疫表現型と個々の免疫担当細胞サブセットの遺伝子発現情報・トランスクリプトームデータを中心に解析し、全身性免疫介在性疾患における疾患の活動性や予後と関連する免疫担当細胞サブセットと、そこに生ずる遺伝子発現修飾の同定を目指すものである。これまでに申請者らは、機械学習の手法を統合して免疫表現型を解析することで、種々の全身性免疫介在性疾患を新たに層別化し、病態を形作るのに重要な細胞の解明を試みてきた。 実際に、機械学習での疾患の診断正確性は50%程度であり、同一疾患内でも免疫表現型の不均一性が示唆される結果となった。さらに同機械学習モデルから算出した疾患を診断する上で重要な免疫担当細胞を使用して、3つの群にクラスタリングを行った。クラスター1はSScのほとんどの症例が分類され、classical monocyteの割合が高く、クラスター2はSLEが多く含まれ、plasmablastとdouble-negative B細胞の割合が高く、クラスター3はIIMの多くが含まれ、naive CD4+ T細胞、naive CD8+ T細胞の割合が高いことが判明した。さらに、当該免疫担当細胞サブセットを特徴づける免疫経路を、Differentially expressed gene(DEG)解析やPathway解析を行うことで解明を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者らはこれまでに、計254名の全身性エリテマトーデス(SLE)、特発性炎症性筋疾患(IIM)、全身性強皮症(SSc)、混合性結合組織病、関節リウマチ、大型血管炎を主な解析対象として、末梢血から単離した計24種類の免疫担当細胞をフローサイトメトリーで解析した。得られた免疫表現型データで複数の機械学習手法を用いてモデル構築し、その結果をもとに層別化を行った。各疾患の臨床情報との関連解析に加え、トランスクリプトームデータを用いてDifferentially expressed gene(DEG)解析やPathway解析などを行った。これにより各免疫介在性疾患において疾患活動性や臨床的特徴と相関する免疫担当細胞をより詳細に同定し、疾患の層別化を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
申請者らはこれまでに、計254名の全身性エリテマトーデス、特発性炎症性筋疾患、全身性強皮症、混合性結合組織病、関節リウマチ、大型血管炎を主な解析対象として、末梢血から単離した計24種類の免疫担当細胞をフローサイトメトリーで解析した。得られた免疫表現型データで複数の機械学習手法を用いてモデル構築し、その結果をもとに層別化を行った。各疾患の臨床情報との関連解析に加え、トランスクリプトームデータを用いてDifferentially expressed gene(DEG)解析やPathway解析などを行った。これにより各免疫介在性疾患において疾患活動性や臨床的特徴と相関する免疫担当細胞をより詳細に同定し、疾患の層別化を行っている。
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