当該年度は主に、関数時系列データのトレンドの推定問題に関しての研究を行った。関数時系列データの推定においては、定常性の仮定の下では多くのモデルが多く提案されている。実際のデータにおいてはこの仮定が成り立たないことも多く、この仮定を緩和する形でより柔軟なモデルを考える必要がある。そこで、関数データに対する縮小事前分布を考え、以下の性質を持つ時系列モデルを開発した。 1、関数型馬蹄事前分布を活用することで、関数列の局所的な変化を捉えられる。 2、時系列の観測において、観測数や観測点が時間によっても推定に影響しない。 3、ベイズ推論により不確実性を伴った推定が行える。 4、性質1を理論的に証明した。 また、数値実験や実データ解析を通して先行研究の手法と比較し、提案手法の有用性を確認した。それらの成果を論文にまとめ、国内外の学会で発表した。さらに、国際学術誌 Statistica Sinica に投稿し改訂の後に受理された。
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