研究課題/領域番号 |
22KJ1124
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長谷川 敦哉 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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キーワード | 量子計算 / 量子通信 |
研究実績の概要 |
現在の量子計算機は扱える量子ビット数が非常に限られている。そのため少ない量子通信を使う量子計算機にどのような能力があるのかあるいは無いのかを探ることは非常に重要である。 今年度の研究では量子分散ネットワーク上でそのような少ない量子通信や証明を使って確かめられる性質について調べた。量子分散ネットワークでの大域的な性質の検証を導入し、入力の等式に関わる問題でネットワークサイズは小さい時に量子と古典で大きいギャップがある事を調べている結果はすでに知られていた。 我々は入力が等しいか比べる問題に関してよりシンプルな解析で、量子証明のサイズが小さくできるようなプロコトルを作った。また同じ問題に対してネットワークサイズが大きくても量子優位性が証明できることを示した。次に入力の大きさを比べる問題に関しても量子と古典で大きいギャップがあることを示した。他にも入力の近さを比べる一般のネットワーク上でのプロコトルなどを構成し、その計算機構が幅広い問題に対して役に立つ事を示した。 また我々は量子証明サイズの下界を証明することにも挑戦し、幾つかの結果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
量子分散ネットワークモデルで、さまざまな結果を示すことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
量子証明サイズの下界についてはまだ上界とのギャップがあるので、より強い下界が証明できるか探究する。また別の量子通信のモデルについても、量子優位性がどのくらいあるのか、あるいは無いのかを探究する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予算執行計画が少し後にずれたため。次年度の研究活動に必要な物品や旅費などに使用する。
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