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2023 年度 実施状況報告書

蛍光プローブ群への応答の網羅的解析による、がん個別化医療を志向した薬剤効果予測

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1177
配分区分基金
研究機関東京大学

研究代表者

南條 愛華  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
キーワード蛍光プローブ / 薬剤感受性予測 / 機械学習 / がん / バイオマーカー / 酵素活性 / アッセイ系 / 個別化医療
研究実績の概要

前年度は、がん細胞1細胞あたりの酵素活性(蛍光プローブを代謝する活性)を測定するために、ハイコンテントイメージングシステムで顕微鏡画像を取得し、ROIの蛍光強度を算出する手法を用いていたが、実験結果が安定しないことが明らかになった。当初の想定以上に、視野内の細胞数のばらつきが大きいこと、蛍光プローブが代謝されて生じる蛍光分子HMRGの細胞外漏出の影響が大きいことが原因と考えられた。
本年度は、これらの測定上の問題点を解決するべく、まず、マイクロプレートリーダーを用いて細胞懸濁液のバルクの蛍光値を測定することで、細胞外に漏出したHMRG由来の蛍光を捕捉することを狙った。さらに、蛍光測定直後に発光法による細胞数定量のアッセイを行い、細胞数で補正することで、各ウェルの細胞数のばらつきの影響を低減させることを試みた。プロトコルの修正・検討を重ね、改良した実験系で、ヒトがん細胞パネル(JFCR39)の細胞株に蛍光プローブライブラリーを添加し、各がん細胞株における各プローブ由来の蛍光の上昇率(蛍光プローブライブラリーへの応答パターン)を測定した。相関分析・主成分分析の結果から、がん細胞株の種類ごとに特徴的な応答パターン(酵素活性パターン)が見られることが明らかになった。JFCR39はがん細胞株の種類ごとに多様な薬剤感受性パターンを示すことが知られており、この薬剤感受性パターンと今回新たに得られた蛍光プローブライブラリーへの応答パターンとの関連の解析を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は「多対多」の関係(多数のがん細胞株の、多数の蛍光プローブへの応答パターン)に焦点を当てているため、もともと実験結果が安定しにくいことが予想されていた。これまでに安定しない要因の洗い出し、対策、検証の繰り返しにより着実に改善は見られるものの、当初の想定以上に、実験系の構築・改良に時間がかかっているため、上記の評価とした。

今後の研究の推進方策

今年度に行ったヒトがん細胞パネル(JFCR39)に対する網羅的実験を来年度に再び行い、再現性の検証を行う。並行して、蛍光プローブライブラリーへの応答パターン(酵素活性パターン)および薬剤の物理化学的・機能的性質を表した記述子から、薬剤感受性パターンを予測する数理モデルを構築する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Novel design strategy of fluorogenic probes based on quantitative prediction and control of competitive intramolecular cyclization equilibria2024

    • 著者名/発表者名
      Aika Nanjo, Ryo Tachibana, Yasuteru Urano
    • 学会等名
      The 11th Takeda Science Foundation Symposium on PharmaSciences
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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