研究実績の概要 |
特発性肺線維症約100 名約200個の血液検体と、健常者約50個の血液検体からRNAを抽出し、全トランスクリプ トーム解析を実施した。IPFと健常者の間で発現変動遺伝子解析(DEG解析)を実施することで、IPF特異的に発現が亢進している遺伝子群を明らかとした。さらにエンリッチメント解析によって重要なパスウェイの同定を行なった。
また、既存の選択的RNAスプライシングとCOVID-19重症化/疾患感受性に対するゲノムワイド関連解析に対してメンデルランダム化解析、選択的RNAスプライシング とCOVID-19の因果関係を推定した。肺でのOAS1、ATP11A、DPP9、NPNTの選択的RNAスプライシングがCOVID-19重症化に関わっていることが推定された。また肺での MUC1とPMF1の選択的RNAスプライシングはCOVID-19疾患感受性に関わっていることが推定された。 本研究は筆頭著者としてNature Communicationsに発表した。
さらに、前年度より継続して、LongCOVIDに対する国際共同研究(ゲノムワイド関連解析)を実施する国際コンソーシアム(LongCOVID Host Genetics Initiative)を 主導しており、11コホートより集積した症例3,018名、コントロール994,582名を対象としたゲノムワイド関連解析のメタ解析を実施し、FOXP4遺伝子近傍の rs9367106:G>Cを有する場合にLongCOVIDの発症リスクが高いことがわかった(オッズ比 1.63, p=1.8x10-10)。本研究は現在論文推敲中である。
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