実験計画を進めたが、想定されていた結果が出ずに、実験モデルマウスの変更を余儀なくされた。 当初の予定では、 P. gingivalis (10 cells/100μL) を静脈内投与し、褐色脂肪を採取し、M1マクロファージの浸潤を認めたタイムポイントにて行う予定であったが、72時間後まで3時間毎に解析を進めたがM1マクロファージの浸潤を認めることはできなかった。それと同時に、血中の遊離脂肪酸濃度の測定を行ったが、こちらにおいても有意な差を認めることができなかった。そのため、現在、P. gingivalis の週3回の複数回投与モデル(普通食)および週3回の複数回投与モデル(高脂肪食負荷)の検討を行っている。現在、普通食モデルマウスの投与後2週間後に、有意な体重差を認めることを見出した。投与2週間後の血中の脂質動態を確認したところ、TGの有意な減少を認めた。また、高脂肪食負荷モデルにおいても投与後2週間後に、有意な体重差を認めることを見出したが、血中の脂質動態に有意な変動を認めなった。高脂肪食の負荷の影響が強く、P. gingivalis の影響を判断するには不向きであると判断し、普通食モデルマウスでの検討に絞り、現在継続して研究を進めている。今回の研究においては、マウスとヒトの脂質動態が肝臓の影響により大きく異なっている可能性および高脂肪食による肝臓の異常が大きく出ることが示唆されており、今後の検討課題とされる。
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