研究課題
UAV空撮画像による水稲の生育推定モデルの構築のためのデータセットについて、その構築に必要な実測値収集の効率化に関する研究を論文としてまとめた。具体的には、これまで当該研究分野における実測値収集は複数株の刈り取りに基づくものが主であったが、本研究では、より省力的に収集できる1株の刈り取りに基づくデータセットも単回帰モデルの構築および機械学習による回帰モデルの精度向上に活用できることが示された。本成果は査読ありの国際誌であるPlant Production Science誌に学術論文として出版された。本手法を活用して、実際にデータセットを構築し、多様な品種に対してより高い精度でバイオマスを推定できる独自のニューラルネットワークモデルの構築に取り組んだ。本モデルにおいては、作物学的な解釈性を付与することも狙いとした。具体的には、multi-output neural networkとregressor chainと呼ばれる構造を独自に融合したmulti-traits-output-chained neural networkを提案した。本構造によるモデルは、従来手法よりも高い精度で多様な形態を持つ24品種のバイオマスを推定した。さらに、各品種のバイオマス生産に影響する形質の重要度が異なるという解釈が本モデルから得られ、従来のモデルよりも高い解釈性を付与できた。本成果は日本作物学会第257回講演会で発表されたほか、査読ありの国際誌であるComputers and electronics in agriculture誌に学術論文として出版された。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)
Plant Production Science
巻: 27 ページ: 1~13
10.1080/1343943X.2023.2299641
Computers and Electronics in Agriculture
巻: 218 ページ: 108653~108653
10.1016/j.compag.2024.108653