研究課題
米国AP天文台3.5m望遠鏡、岡山天文台3.8m及び1.88m望遠鏡などの地上大望遠鏡、さらにTESS衛星やX線観測装置NICER等を用いて、スーパーフレアを頻発する星の多波長連携観測をこれまでの研究の継続として実施するとともに、これまでに取得されたデータの解析を進めた。これにより、フレアそのものの分光観測データを取得し、スーパーフレアに伴うプラズマ噴出や彩層放射の規模や時間発展について探査した。本年度終了時点で、共著論文が2編出版された他、主著および共著論文が5編ほど現段階で準備中となった。特に、共著論文の1つ(Namekata et al. 2022 Nature Astronomy)については、太陽型星からのプロミネンス噴出の初検出となり、記者発表も実施するなど、非常に大きな成果発表をすることができた。以上の観測研究の過程においては、コロラド大学に長期滞在してAdam Kowalski氏他と共同研究を実施し、観測データの輻射流体力学的な観点からの解釈に取り組んだ。 また、岡山188cm望遠鏡/HIDESやすばる望遠鏡IRD等でこれまでに長期モニタ観測された, 活動的な太陽型星, 巨星, M型星のデータを用いて、黒点や彩層放射の長期変化を調べる研究も、本学振プログラムの受入研究者の佐藤氏及び佐藤研究室の大学院生/学部4年生とともに共同で推進している。 また、恒星UV観測に向けた太陽データの検討や、惑星分野との連携に向けた研究の検討など、分野連携に向けた検討も進めている。
2: おおむね順調に進展している
本年度(初年度)においては、当初予定通り、米国AP天文台3.5m望遠鏡や岡山天文台3.8mにて取得されたデータの解析を進め、共著論文において記者発表も行うなど、非常に大きな成果発表をすることができた。また、 岡山188cm望遠鏡/HIDESやすばる望遠鏡IRD等でこれまでに長期モニタ観測された, 活動的な太陽型星, 巨星, M型星のデータを用いて、黒点や彩層放射の長期変化を調べる研究に関して、本学振プログラムの東京工業大学の大学院生/学部4年生の皆さんと共同で研究を進め、共著論文の準備についても開始することができた。特にこれは、これまでの申請者の研究分野から広げて系外惑星観測分野との連携も深めるものであり、特に個人の研究キャリアを考えても意義が大きい成果であり、今後の進展が強く期待される。またコロラド大学に長期滞在しての共同研究や、恒星UV観測に向けた太陽データの検討や、惑星分野との連携に向けた研究の検討など、分野連携に向けた検討も当初の期待通りに進行した。
上述の通り、研究計画は順調に進行しており、当初の計画通りに研究を進めていく。具体的には、せいめい望遠鏡等での観測を日本国内の共同研究者とも協力する形で進めるとともに、取得されたデータの解析、さらに準備中の5本の論文について、共同研究者との協力しつつ取りまとめを急いでいく。前年度から引き続いて、コロラド大学に長期滞在してAdam Kowalski氏と共同研究を行い、 これ までに取得されてきたスーパーフレアの観測データを輻射流体力学計算の結果と比較する研究を継続していく。また、2022年度においては、対面での国際研究会(場所:欧州)への参加も複数予定されており、研究成果の発表だけにとどまらず、今後の新たな共同研究もさらに推進していく。また、それに合わせてチェコの共同研究者の元にも滞在し、恒星プロミネンスのデータ解釈の観点で議論を深めていく計画である。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 6件、 招待講演 3件) 備考 (4件)
The Astrophysical Journal Letters
巻: 926 ページ: L5~L5
10.3847/2041-8213/ac4df0
Nature Astronomy
巻: 6 ページ: 241~248
10.1038/s41550-021-01532-8
https://sites.google.com/colorado.edu/yutanotsu/home
https://educ.titech.ac.jp/eps/news/2021_12/061603.html
https://www.colorado.edu/today/2021/12/09/ek-draconis
https://nagoya.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=100&sort=controlnumber&search_type=2&q=1621213872938