研究課題
本研究は、超複素数代数・凸最適化・深層学習の最先端成果を用いることにより、高次元データのロバスト主成分分析法に飛躍的な性能向上をもたらすことを目標にしている.本年度では,Difference-of-Convex(DC)構造を持つ非凸ペナルティを用いた正則化技法に注目し,下記の研究成果をあげている.1)2021年申請者らより提案されたGeneralized Moreau Enhanced (GME)モデルを拡張し,より一般的なDC構造を持つconvexity-preserving nonconvex regularizerのクラスを提案した.本研究は信号処理分野の主要国際会議EUSIPCO 2022で発表され,当該研究成果をまとめた論文は信号処理分野のジャーナルに投稿済みである.2)スパースシステムの適応学習問題において,DC最適化に基づいたより優れた推定性能を持つスパース適応フィルターを提案した.具体的に,DC関数の豊かな表現力を用い,従来のSCAD penaltyとMC penaltyを一般化したDC型スパース正則化項のクラスを提案した.また,そのDC構造を利用して効率的な適応フィルタリングアルゴリズムを導いた.本研究の初期成果は第37回信号処理シンポジウムで発表された.なお,理論分析を改良した成果は信号処理分野のトップカンファレンスICASSP 2023に受理された(2023年6月発表予定).
2: おおむね順調に進展している
本年度では,Difference-of-Convex(DC)構造を持つ非凸ペナルティを用いた正則化技法に注目し,バッチ処理・オンライン処理2つのシナリオを考えて研究を行った.本年度においてあげた成果は,研究者が2021年度に提案したconvexity-preserving DCモデルの最適化手法の応用として,今までの研究成果の有用性を示した.
今後は,DC型スパース正則化モデルの計算量削減を取り上げて研究を進める.具体的に,LASSO問題の計算量を著しく削減できるスクリーニング(safe screening)手法を参考にして,申請者が2021年に提案したGeneralized Moreau Enhanced(GME)モデルに応用できるスクリーニング手法を構築する.
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
2022 30th European Signal Processing Conference (EUSIPCO)
巻: N/A ページ: 2051-2055
10.23919/EUSIPCO55093.2022.9909805
2021 55th Asilomar Conference on Signals, Systems, and Computers
巻: N/A ページ: 1348-1354
10.1109/IEEECONF53345.2021.9723102