研究課題/領域番号 |
20J40140
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
特別研究員 |
小原 優貴 東京大学, グローバル教育センター, 准教授
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研究期間 (年度) |
2020-10-12 – 2024-03-31
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キーワード | 就学前教育 / インド / 教員養成 / 学習観 / 構成主義 |
研究実績の概要 |
先進国の援助機関が途上国の就学前教育担当者に実施する教員研修プログラムの実践を分析し、教育改革の国際的な潮流である「子ども中心」「遊び中心」の教育に対する研修参加者の関心・意欲について確認した。その結果「子ども中心」「遊び中心」の教育は、財政や専門家不足等の理由で途上国での普及には課題もある一方で、その理念を実現するための教員の資質向上に繋がる具体的取組み(教員養成カリキュラム、教育活動の記録・計画等)に対する参加者の関心は高く、研修の意義が見出された。 また途上国の中には、受入国側の教員研修のあり方の再考を促すような制度を導入している国も見られた。このことから、途上国の教員を対象とする研修プログラムは、受入国による一方向の「教授」ではなく、受入側と参加国側の社会経済状況の差異を踏まえた上で、双方の教員養成制度の改善につながる相互学習を通じた「国際教育協力」の機会となるようにデザイン・実施することが、双方にとって有意義なものになることが示唆された。 このほかに、最終年度に実施するインド・デリーでの現地調査に向けて、就学前教育プログラムを提供する関係機関の情報収集を進め、訪問先の選定を行った。具体的には、インド女性子ども開発省管轄下のアーンガンワーディー(インドの就学前教育参加者の半数以上が通う公立保育施設)、同施設の教材開発・教員養成を支援するPratham(NGO)、またジャミアミリアイスラミアのEarly Childhood開発研究センター(就学前教育に関する修士課程を提供する国立研究大学)を訪問先に選定し、質問項目の準備を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ等の影響で困難であった現地調査を2023年度に行う見通しが立ち、研究課題の実態把握に向けた準備を進められたため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究を通じて得られたデータを整理し、その成果を国内外の学会や学術雑誌にて発表する。
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