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2023 年度 実施状況報告書

データドリブン検証手法の圏論・不動点理論による抽象理論確立と新アルゴリズムの導出

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1437
配分区分基金
研究機関総合研究大学院大学

研究代表者

郡 茉友子  総合研究大学院大学, 複合科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
キーワード形式検証 / 不動点 / 圏論
研究実績の概要

本研究の目的は、圏論と不動点理論を用いてデータドリブン検証手法の抽象理論を構築し、新たなアルゴリズムを導出することにある。
前年度では、データドリブン検証手法の一つであるIC3/PDRの抽象理論を構築していた。この抽象理論では、既存のアルゴリズムを数学的に自然な形で再構成し、様々なシステムに適用できるよう抽象化していたが、ヒューリスティクスに関する具体的な議論は不在で、システムごとに異なる非自明なヒューリスティクスを使っていた。
そのため、令和5年度ではこの点の改善を目指し、ヒューリスティクスを数学的に自然な形で得るための新たな理論の構築をし、新アルゴリズムを導出した。もとの抽象化では、一般的なシステムを対象とするために少ない構造を使っていたが、今回はまず構造を持たせた特定のシステムで抽象化した上で、抽象解釈を活用して汎用性のある新アルゴリズムを構築した。前回の試みよりも、システムのどの構造がアルゴリズムに必要なのかを明確にできたといえる。今回の抽象化では、不動点理論の双対的な二つの探索方法を組み合わせており、もとの抽象化よりIC3/PDRに本質的に近いものとなっている。また、新アルゴリズムは自動的に非自明なヒューリスティクスを備えており、特に確率的システムで有効であることを実験で確認した。
以上の成果についての論文は査読付き国際会議CAV'23に採択され、口頭発表も行った。また、Distinguished paper awardを受賞した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画は以下の通りである。
(1)データドリブン検証手法の一つであるCEGISの抽象理論樹立(採用前~2年目)、(2) データドリブン検証手法の一つであるIC3/PDRの抽象理論樹立(採用前~2年
目)、(3) 新アルゴリズムの開発と実装(2年目~3年目)。
(2), (3)に関しては目標を達成し、CAV'22, CAV'23論文として成果を発表した。しかし、(1)に関しては未着手である。

今後の研究の推進方策

令和5年度で、IC3/PDRに関して樹立した抽象理論をもとにした新アルゴリズムの導出という本研究の目標を達成したといえる。さらに、これまでの結果で作った複数のアルゴリズムを統合する理論を構築する予定である。
また、IC3/PDR以外のデータドリブン検証手法に焦点を当て、抽象理論の樹立を目指す。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] University of Pisa(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      University of Pisa
  • [雑誌論文] Exploiting Adjoints in Property Directed Reachability Analysis2023

    • 著者名/発表者名
      Kori Mayuko、Ascari Flavio、Bonchi Filippo、Bruni Roberto、Gori Roberta、Hasuo Ichiro
    • 雑誌名

      Computer Aided Verification. CAV 2023. Lecture Notes in Computer Science

      巻: 13965 ページ: 41~63

    • DOI

      10.1007/978-3-031-37703-7_3

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Exploiting Adjoints in Property Directed Reachability Analysis.2023

    • 著者名/発表者名
      Mayuko Kori
    • 学会等名
      35th International Conference on Computer Aided Verification
    • 国際学会
  • [学会発表] Exploiting Adjoints in Property Directed Reachability Analysis.2023

    • 著者名/発表者名
      Mayuko Kori
    • 学会等名
      日本ソフトウェア科学会第40回大会

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公開日: 2024-12-25  

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