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2023 年度 実績報告書

北アルプス北部,白馬大雪渓における岩盤崩落メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1441
配分区分基金
研究機関新潟大学

研究代表者

杉山 博崇  新潟大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードRockfall / Rock slope failure / Alpine zone / Joint density / Frost action
研究実績の概要

本研究では,飛騨山脈北部,白馬大雪渓周辺において野外実験と空撮技術による岩盤斜面のモニタリングにより,多雪地域の高山帯で生じる岩盤崩落のメカニズムを明らかにすることを目的としている.白馬岳の2700m付近に設置した気温計の結果から,本年度の年平均気温は昨年度に比べて高く,稜線付近に設置した多くの地点の地温も同様に高かった.しかしながら,積雪量や根雪開始時期の違いによって,逆に本年度の平均地温が低くなる地点もあり,地温の年々変動は場所によって異なることが確認された.亀裂変位計の結果から,融解開始時期に亀裂幅が最大値をとることを確認した.以上の結果は凍結融解作用の生じやすい条件および落石の発生地点を理解するうえで重要な現地データあり,学会にて成果の発表をおこなった.2005年に死傷者を出した崩落の発生域周辺で,1976年以降の削剥過程を調査した結果,節理密度の大きい岩壁で削剥が進むだけでなく,節理密度の小さい岩壁が重力変形によって不安定化するプロセスを確認した.杓子岳の天狗菱北側の大規模な崩落までの削剥過程は,①卓越する節理面によって切り取られた大きな岩盤ブロックが,細かい節理や風化による岩盤劣化によって下部を削剥されてオーバーハングする,②節理に沿った谷側へのトップリング(後背亀裂の拡大)やスラビングによる鉛直方向の不連続面の拡大によって不安定化し,やがて崩落する削剥過程であることが推察された.本研究で得られた研究成果を国内の学会において発表し,学術誌に投稿した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 白馬連山,杓子岳における近年の岩壁の削剥過程2023

    • 著者名/発表者名
      杉山博崇・奈良間千之
    • 学会等名
      日本地理学会2024年春季研究大会,青山学院大学,2024年3月
  • [学会発表] 白馬連山,杓子岳における近年の岩壁の削剥過程2023

    • 著者名/発表者名
      杉山博崇・奈良間千之
    • 学会等名
      日本応用地質学会北陸支部令和5年度研究発表会,オンライン,2024年2月
  • [学会発表] 飛騨山脈北部の高山帯における深度別地温の観測2023

    • 著者名/発表者名
      杉山博崇・奈良間千之
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合大会,千葉幕張メッセ,2023年5月

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公開日: 2024-12-25  

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