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2022 年度 実績報告書

ブラックホール時空誕生の瞬間に迫る史上最高感度のX線検出器システム開発

研究課題

研究課題/領域番号 22J12717
配分区分補助金
研究機関金沢大学

研究代表者

荻野 直樹  金沢大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2024-03-31
キーワードガンマ線バースト / X線検出器 / CCD / ASIC / イメージセンサー
研究実績の概要

我々は、ロブスターアイと呼ばれる特殊なX線光学系とX線イメージセンサー(pnCCD)を組み合わせた史上最高感度の広視野X線検出器の開発を行っている。pnCCDは、ドイツのPNDetector社が開発したX線CCDで、欧州の科学観測衛星や加速器で積極的に利用されている。しかし、国内での利用実績が乏しく、読み出し基板の開発から駆動ロジックの開発および性能評価まですべて行う必要がある。今年度は、(1) pnCCDの読み出しASICの性能評価を行うとともに、(2) 読み出した信号のAD変換を行うADC基板の開発を行った。
(1) ASIC の性能評価
読み出しASICの性能評価では、X線信号を模擬したテストパルスを入力することで、出力信号の線形性の確認を行った。その結果、0 keVから12 keVの間で線形な応答を確認できた。我々が目標とする観測エネルギー範囲は、0.4 keVから4 keVであり、十分な性能を有していることを明らかにした。
(2) ADC基板の開発
ADC基板は、pnCCDおよびASICへの電源供給、加えて、ASICからの出力をAD変換しFPGAへ出力する機能を有している。今年度は、本基板の設計および製造・デバッグ・性能評価を行った。性能評価においては、ASICからのテストパルスをAD変換することで読み出しノイズの定量化を行った。その結果、実装されている4つのASICの内、2つのASICで公称値の約4倍の読み出しノイズが発生していることが明らかになった。現在、原因の調査を行っているところであり、原因がわかり次第、ADC基板の再設計・製造を行う予定である。また、公称値通りの読み出しノイズで読み出せているASICも存在するため、これを利用し、pnCCDの性能評価を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

広視野X線検出器の焦点面に用いるpnCCDおよびその読み出しASICの駆動ファームウェアの検討・開発に想定以上の時間を要してしまい、本年度で実施予定であった+20~-20℃における軟X線検出能力の定量化や、ガンマ線バーストの検知および位置決定を行うロジックをFPGAに実装することができなかった。

今後の研究の推進方策

次年度では、すべてのASICで公称値通りの読み出しノイズで撮像できるようにADC基板の改良を行う。その後、pnCCDを+20~-20℃の環境で駆動させ、軟X線検出能力の定量化を行う。また、(1)イメージセンサーを-20度程度まで冷却可能な熱設計、(2)ロブスターアイ光学系の共振周波数を考慮した構造設計を行い、筐体を製造する。最終的に、完成した筐体にロブスターアイ光学系とpnCCDを実装し、撮像性能の評価を行っていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Performance Verification of CMOS Image Sensor and Development of High Speed Readout System for Cosmic Soft X-ray Observation2022

    • 著者名/発表者名
      Naoki Ogino, et al.
    • 学会等名
      THE 4TH WORKSHOP ON QUANTUM BEAM IMAGING
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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