研究課題
これまでに、新規人工プロテアーゼペプチドの創製と創薬標的タンパク質分解誘導への応用に利用するモデル標的タンパク質結合ペプチドとして、新規PD-L1結合環状Nアルキルペプチド化合物のSELEXスクリーニングを行なってきた。具体的には、大腸菌由来の再構成型のin vitro転写・翻訳共役システム(Protein synthesis Using Recombinant Elements system, PUREシステム)と遺伝暗号拡張技術(genetic code expansion)とin vitro virus (mRNAディスプレイ)法を用いて調製した数兆種類のライブラリーからの分子進化工学的スクリーニングSELEX法を用いて、PD-L1に結合する新規非天然型環状Nアルキルペプチド化合物を同定することに成功した。そこで、創薬標的タンパク質の分解誘導と同様に、環状Nアルキルペプチド化合物の創薬標的タンパク質への結合の後に、その創薬標的タンパク質を発現する細胞の機能を阻害するアプローチとして、光増感剤により修飾した環状Nアルキルペプチド化合物による創薬標的タンパク質発現細胞の光操作に基づく機能阻害への応用も試みた。様々な光増感剤を修飾した創薬標的タンパク質結合環状Nアルキルペプチド化合物を化学合成し、創薬標的タンパク質を発現する培養動物細胞へと作用させた。ライブ蛍光イメージング解析の結果、創薬標的タンパク質を発現する培養動物細胞において、光増感剤修飾環状ペプチド化合物による光照射依存的な細胞機能低下を検出することに成功した。本研究成果は、日本薬学会第144年会で成果発表を行なっている。
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Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
巻: 88 ページ: 147~153
10.1093/bbb/zbad170