研究課題/領域番号 |
21J40241
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
付 友紀子 名古屋大学, 環境医学研究所 分子代謝医学分野, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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キーワード | 視床下部 / 慢性炎症 / 脳ー末梢関連 |
研究実績の概要 |
本研究は、肥満におけるエネルギー代謝調節中枢である視床下部の機能破綻に着目し、それによる末梢臓器への関連作用の解明を目的とする。令和3年度では、1)慢性炎症における視床下部での炎症担当免疫細胞(ミクログリア・マクロファージ)を時空間的な動態と共に、2)視床下部の機能破綻による末梢臓器への関連作用の解析を行った。 1)CX3CR1-CreERT2:tdTomato floxマウスとCX3CR1GFP/+: CCR2RFP/+ マウスを用いて、視床下部での炎症担当免疫細胞(ミクログリア・マクロファージ)を時空間的に標識し、高脂肪食による視床下部弓状核(ARC)と室傍核(PVN)の炎症の動態の解明を行った。 CX3CR1-CreERT2:tdTomato floxマウスとCX3CR1GFP/+: CCR2RFP/+ マウスに高脂肪食を4週間負荷の解析で、浸潤マクロファージの寄与は極めて少ないことを確認し、高脂肪食による視床下部の炎症は主にミクログリアの活性化が寄与すると考えられる。 2)視床下部の機能破綻による末梢臓器への関連作用に関して、四塩化炭素(CCL4)投与による一過性肝炎モデルを用いて、中枢MC4Rシグナルの意義を検討した。MC4Rのアンタゴニストを脳室内(ICV)へ投与し、骨髄、末梢血、または肝臓に浸潤するマクロファージの動態と性質をフローサイトメトリーにて解析した。中枢のMC4Rシグナルは末梢組織(肝臓)の炎症修復過程におけるマクロファージの性質(分化、貪食性)に影響を与える結果が得られた。これらの結果を踏まえて、来年度は中枢のMC4Rシグナルが肝マクロファージを制御する因子の同定を行い、その制御機序を明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度では、予定通り1)慢性炎症における視床下部での炎症担当免疫細胞(ミクログリア・マクロファージ)を時空間的な動態解析を行なった。末梢から誘導されたマクロファージより、脳内常在するミクログリアの活性化は視床下部の慢性炎症に寄与する知見を見出したため、予定していた視床下部のマイクロアレイの解析は未実施であった。その代わりに、令和4年度に行う予定である2)視床下部の機能破綻による末梢臓器への関連作用の解析の予備検討を行なった。全体的に概ね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度で、慢性炎症における視床下部での炎症担当免疫細胞は主にミクログリアであることを確認した。今後はミクログリアの性質変化、またその活性化の抑制による末梢臓器への関連作用の解析へ進めていく予定である。 令和4年度では、視床下部から肝臓炎症への制御におけるMC4Rシグナルの意義を中心に検討する。具体的にはMC4Rアゴニスト(αMSH, MT-IIなど)やアンタゴニス(SHU9119)を脳室内投与、交感神経遮断などの手法を用いてし、食欲・エネルギー代謝、脂肪組織や肝臓の交感神経活動に加えて、肝臓に浸潤するマクロファージの動態を検討する。
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