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2023 年度 実績報告書

肥満における視床下部の機能破綻と末梢臓器への制御機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1541
配分区分基金
研究機関名古屋大学

研究代表者

付 友紀子  名古屋大学, 環境医学研究所 分子代謝医学分野, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードMC4R / マクロファージ / 肝障害
研究実績の概要

今までの研究で、四塩化炭素誘発急性肝障害モデルマウスにおいて、MC4Rシグナルの阻害は肝障害の回復を遅延させ、肝臓に浸潤するマクロファージ(MΦ)のサブタイプが変化すること、死細胞クリアランスが抑制されることを見出した。つまり、視床下部のMC4Rシグナルは摂食の調整だけでなく、肝臓の炎症を調整していると考えられる。しかしながら、中枢MC4Rシグナルが肝臓MΦの性質を制御する機序は不明であった。
MC4R欠損者の尿中ノルアドレナリン(NA)濃度が低下し(N Engl J Med . 2009; 360:44-52)、またはMC4R欠損マウスでは交感神経の感受性低下が示唆されている(Cell.2018; 175:1321-1335)。以上を踏まえて、今年度は、アドレナリン(Adr)β2受容体欠損マウスやMC4R欠損マウス、カテコールアミンなどの物質を用いて、中枢MC4Rシグナルによる肝臓MΦの性質制御機序における交感神経の関与を検討した。その結果、MC4R欠損マウスでは肝臓の交感神経の活性の低下が認められた。また、MΦではアドレナリンサブタイプの中Adrβ2受容体を高発現することからAdrβ2シグナルを通してMΦの性質を制御すると考えられる。そして、Adrβ2受容体アゴニストによるAdrβ2受容体の刺激はMΦを抗炎症性へ誘導し、貪食能を上昇させた。さらに、Adrβ2受容体の欠損により肝障害からの回復が遅れることを見出した。
以上より、本研究では、中枢のMC4Rからのシグナルは交感神経を通して末梢のMΦに発現しているAdrβ2受容体を刺激することにより、MΦの性質変化をもたらし肝障害からの回復を促進していることを見出した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Central melanocortin 4 receptor (MC4R) signal regulates chronic inflammation in the liver.2023

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Fu, Michiko Itoh, Miyako Tanaka, Bin Fu, Kozue Ochi, Sayaka Kanai, Takayoshi Suganami.
    • 学会等名
      第96回日本内分泌学会学術会. 名古屋. (口演)

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公開日: 2024-12-25  

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